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相次ぐ情報閲覧問題にユーザーはどう立ち向かう

個人情報が筒抜ける時代

2013年06月04日 07時00分更新

文● 佐藤正生/アスキークラウド編集部

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プライバシ

Photo by Alan Cleaver

 あなたの情報は常にのぞかれているのかもしれない──。プライバシーに対する意識が高まる中で、企業による個人情報の取り扱いが問題視されている。

 5月13日、米金融情報サービス大手ブルームバーグの記者が長年にわたり顧客情報をのぞき見していたというニュースが世界を駆け巡った。この問題は顧客の苦情から発覚し、同社が提供する情報端末で顧客のログイン履歴や利用頻度に関するデータが閲覧できる状態にあったという。ブルームバーグはこの事実を認めて謝罪したうえで、17日には米IBMのサミュエル・パルサミーノ前会長兼最高経営責任者(CEO)を外部アドバイザーとして招へいし、管理体制の見直しを図ると発表した。

 ブルームバーグの端末を導入している日本銀行は、同社に対して情報の閲覧の有無を調査しており、「引き続き事実関係の確認を行っている。公表については事実確認の結果を踏まえて適宜、検討したい」とコメントした。ブルームバーグの情報端末は世界で31万台以上使われており、民間企業をはじめ、公的機関も同社端末を導入しているだけに影響は大きい。

 また海外では、スカイプでやり取りされたインスタントメッセージが、マイクロソフトの関連会社によって閲覧されていたとの疑惑を報じているメディアもある。プラットホームを提供している企業が、簡単にプライバシーを侵害できるという恐ろしさを思い知らされた事例だ。


憲法で保障されている「通信の秘密」

 日本では憲法で「通信の秘密」が保障されており、プロバイダーやサーバーを提供する企業は、通信の内容やユーザー情報をのぞき見することが禁止されている。ヤフーが昨年9月から始めたインタレストマッチ広告は当初、「通信の秘密」に抵触する恐れがあるとして総務省から指摘された経緯があった。ヤフーは、「通信の秘密」が侵害される意味・内容を利用者が正しく理解できるための情報提供や、メール本文の解析を望まないユーザーへの対応、いつでもサービスを中止できる仕組みを整えたことで、総務省もインタレストマッチ広告について許容範囲との見解を示した。

インタレストマッチ

ヤフーのサービスは一時、当局から待ったが掛かった

 しかし、海外にサーバーを設置している場合、「通信の秘密」は守られるのだろうか?

 ヤフーに対して総務省が見解を示した際、川端達夫総務相(当時)は「同様のサービスを提供する電気通信事業者は、少なくとも同様の対応が必要。海外事業者であっても、我が国の利用者を対象に提供する場合には、同様の対応を自主的にとっていただくことが望まれる」とコメントしている。実際、ヤフーがインタレストマッチ広告を始める以前から、米グーグルは「Gメール」で同様のサービスを提供していたが、「通信の秘密」に関連した指摘は受けていない。

 プライバシーを侵害せず顧客情報を有効に使うのは非常に難しく、現状ではプラットホームを提供している企業のモラルに委ねられているところが大きい。プライバシーを完璧に守るには、全てのオンラインサービスを止めるのが確実だが、それは現実的ではない。信頼の根幹にかかわることだけに、各企業にはいっそう厳格な運用を心掛けてもらいたい。


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