小型化されたカメラヘッドを公開。幅125×奥行150×高さ125mm、重量は2kgというコンパクトさ
4Kテレビのリリースが相次いでいる今日この頃だが、2016年には8K(7680×4320ドット)のスーパーハイビジョンが実用化試験放送に入る予定である。
そんなスーパーハイビジョンの“今”を見られるイベントが、5月30日から6月2日まで(10:00~17:00)の期間、一般公開される。NHK放送技術研究所の「NHK技研公開 2013」である。そのプレスプレビューが行なわれたのでレポートする。
ハード面ではかなり充実してきた8K撮影機器
3300万画素の最新イメージセンサー。120Hzの記録に対応する
上のセンサーを3枚採用した、120Hzのスーパーハイビジョン映像が記録できるカメラヘッド
信号処理装置を介して4Kパネル×4枚に8K映像を表示。写真ではわからないが、左半分が60Hz、右半分が120Hzで再生しており、なめらかさを確認できる
MPEG-4 AVCの2倍の圧縮が可能な映像フォーマット「HEVC」の8K対応リアルタイムエンコーダー。映像を17分割して並列処理を行なう
移動撮影用の8K撮影システム。カメラを小型化するとともに、映像伝送インターフェースも簡素化した
音響一体型の145型のプラズマ8Kディスプレー。上下左右に165個のスピーカーをずらっと配置し、音響信号処理を加えて臨場感を高めている
UHF(1ch)によるスーパーハイビジョン放送の技術展示。偏波MIMOと超多値OFDMを用いた伝送実験装置を使用し、映像をディスプレーに表示していた
展示物を見る限り、スーパーハイビジョン撮影環境はかなり実用レベルに近づいているように見える。
ただ、NHK放送技術研究所に所長である藤沢秀一氏は、2016年の実用化試験放送開始について「非常に厳しいのは事実」と吐露。ただし「いろいろな作業を並行してやっていかなければならないが、できないことはない」と語った。