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最新パーツ性能チェック 第142回

Richlandこと新世代APU「AMD Elite A」シリーズの実力を見る

2013年06月05日 13時01分更新

文● 藤田 忠

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CPU性能をRichlandとTrinityで比較

 “Richland”のスペックがわかったところで、次はCPU性能だ。今回入手したAPUは、「A10-6800K」、「A10-6700」と「A10-5800K」の3製品。動作クロックの向上でどのくらい性能がアップするか、定番ベンチマークの「PCMark 7」と「CINEBENCH R11.5」でみていこう。

テストした「A10-6800K」(左)と「A10-6700」(右)。ヒートスプレッダーにモデルナンバーやOPNの刻印があるのは従来と同じ。ヒートスプレッダーが接着されていない部分もあったので、殻割りの手順も同じだろう

「CPU-Z」の情報。左が「A10-6800K」、右が「A10-6700」。コードネームの“Richland”や32nmの製造プロセスなどを確認できる

 検証環境のマザーボードには、Socket FM2対応の最上位チップセット「AMD 85X」を搭載するMSI「FM2-A85XA-G65」を使用し、メモリーは最も普及している速度のDDR3-1600に統一して計測。内蔵GPUのドライバーはCatalyst13.5のベータ版を導入した。

「AMD A85X」搭載マザーボードのMSI「FM2-A85XA-G65」。“Richland”は、BIOSが対応していれば下位チップセットの「AMD A75」や「AMD A55」でも動作可能だ

テスト環境
CPU AMD「A10-6800K」(4.1GHz/Radeon HD 8670D)
AMD「A10-6700」(3.7GHz/Radeon HD 8670D)
AMD「A10-5800K」(3.8GHz/Radeon HD 7660D)
マザーボード MSI「FM2-A85XA-G65」(AMD A85X)
メモリー CORSAIR「CMD16GX3M4A2800C12」(DDR3-2800 4GB×4)
※テストはDDR3-1600で計測
SSD Intel SSD 335 240GB
電源ユニット Seasonic「SS-750KM」(750W/80PLUS GOLD)
OS Windows8 Pro(64ビット)
グラフィックドライバー Catalyst 13.5 β

PCMark 7とCINEBENCHでチェック

 実施したテストは、「PCMark 7」と「CINEBENCH R11.5」だ。PCMark 7は、システム全体のパフォーマンスを計測する「PCMark score」プリセットに加えて、メディアやゲームなどの性能を計測する「Entertainment Suite」と、ウェブブラウジングやオフィスソフトの実行性能を計測する「Productivity Suite」プリセットも実行。さらにOS起動後10分経過した状態のアイドルと「CINEBENCH R11.5」実行中のシステム全体の消費電力を「ワットチェッカー」で計測している。

PCMark 7 (単位:score) better→

Cinebench R11.5 (単位:score) better→

消費電力(単位:W) ←better

 各ベンチマークで動作クロックの差がスコアーに出ているが、「A10-6800K」と「A10-5800K」の最上位同士でもその差は2%前後と僅かになっている。注目なのは予想通りTDP65Wの「A10-6700」のスコアーと消費電力で、「A10-5800K」から性能アップしつつ、消費電力はダウンしている。

 劇的なアーキテクチャー変更がない“Richland”だが、“Trinity”版最上位を上回る性能を、より低い消費電力で構築できるのはうれしいところだ。

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