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ソニー、テレビ/エレクロトニクスの黒字化を必達目標と宣言

ソニーの商品は、期待を満たす妥協なき機能/価値を保持すべき

2013年05月23日 09時00分更新

文● 大河原克行

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2013年度のテレビ事業

 テレビ事業については、画質や音質向上、さらには4K対応テレビの投入といった商品力の強化により、高付加価値モデルを中心に展開。新興国地域のニーズを先取りした商品を投入していく姿勢を示した。

テレビ事業については、画質や音質向上、さらには4K対応テレビの投入といった商品力の強化により、高付加価値モデルを中心に展開

 「2012年度のテレビ事業は、いたずらに数を追うのではなく、固定費の削減とオペレーションの効率化に注力した年だった。その結果、2011年度比で赤字幅は半分以上減少し、2013年度の黒字化に向けた収益改善計画が想定以上に進んでいる。46型以上のテレビは金額ベースで、2011年度の16%から、2012年度は36%に拡大している。ソニーは業界平均単価よりも5万円以上高く、これも高付加価値モデルが売れていることの証明となる。商品力強化と継続的なコスト削減により、黒字化を達成する」と語った。

 同社では、2014年度の業績目標として、ソニーグループ全体で売上高が8兆5000億円、営業利益率5%以上、ROE10%を掲げているほか、エレクトロニクス事業全体で売上高6兆円、営業利益率5%を目標としている。

2014年度の業績目標として、ソニーグループ全体で売上高が8兆5000億円、営業利益率5%以上、ROE10%を掲げた

ソニーがソニーらしく存在するためにはどうあるべきか

 また、平井社長は、「競争優位のポジションを獲得するための第一の鍵は、お客様から見たときに、ソニーの製品やサービスが、どんな形に認知されているかを正しく理解し、問題点をひとつひとつ着実に改善していくことである」とし、「お客様が製品やサービスを購入するときの決断ポイントは、自分の期待を満たしてくれる機能なのか、まったく新たな価値を持った製品に期待しているのか。それは様々である。

 その中でソニーがソニーらしく存在するためにはどうあるべきか。お客様が商品、サービス、コンテンツに触れたとき、経験したことがない感動や驚きを届け、好奇心を刺激する会社でなくてはならない。ソニーのすべての商品は、お客様の期待を満たすための妥協なき機能/価値を保持し、心を動かす『感性価値』を生み出すものでなくてはならない。期待を超える独自の価値を提供することで、価格競争に陥ることなく、競争優位なポジションで事業をしていくべきである。

 現在、ソニーが発売している製品は、『機能価値』を満たしているものの、本当の意味が『感性価値』を持った製品という点ではまだまだ十分とはいえない。だが、昨年度発売したいくつかの製品からは、その兆しが見え始めている。ソニー・ミュージックやソニー・ピクチャーズから、お客様の感情を揺さぶる作品が登場している。また、これは金融事業にも当てはまる。ソニーはすべての製品およびサービスにおいて、期待を超える『機能価値』と、心を動かす『感性価値』を備えるように設計し、それを提供する会社でなくてはならない」などと語った。

 一方、平井社長は、2012年度の取り組みについても総括。「5年ぶりの黒字を達成した。企業にとって利益を出すことは何よりも重要なことである。1年前に社長に就任した私の最大の使命は、ソニーを変革し、エレクトロニクス事業を再生するということであった。最終黒字を達成したが、エレクトロニクス事業は黒字化は達成することができなかった。

 中核事業であるエンタテインメント事業と金融事業については、多くのヒット作品を生み出し、顧客満足度の高いサービスの提供により、売上高、営業利益ともに上回る成長し、グループ全体の業績に大きく貢献した」などと語った。

 また、「昨年は、私の時間の4分の1近くを使って、この目で現場をみて、私の変革に対する思いを直接社員に伝え、議論をしてきた。延べ16ヵ国45カ所の拠点のほか、ソニーグループ以外のパートナー、エンドユーザーとも会った。こうした中で、取り組む課題の明確化とともに、ソニーが持つ将来の可能性を再確認できたことが大きな収穫だった。ソニーグループには、将来に渡って、ソニーを変革し成長させるための十分な潜在力がある」などと語った。


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