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レガシーシステムを作った富士通だからこそのモダナイゼーション

イノベーションへの一足飛びより現実的な富士通の“Next”

2013年05月20日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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これから作るシステムはレガシー化しない?

 イベントの後半では、中村氏が中心になり、レガシーシステムやモダナイゼーションの課題について質疑応答や意見交換が行なわれた。

富士通 SI技術本部SVPの中村記章氏

 まず、「そもそも富士通がレガシーシステムを作ったのは?」という問いに関しては、中村氏が「確かにレガシーシステムを作ってきた責任の一端はあると思っています」と述べたうえ、モダナイゼーションしにくいシステムができてしまう構造的な背景があることを説明した。たとえば、最新の技術を使ってもトレンドが変わってしまったり、プログラムの変更過程で属人化したコードが発生したり、あるいは設計書とプログラムの間に齟齬があることなどだという。

 また、モダナイゼーションのステップで重要なシステムのスリム化についての言及も興味深かった。モダナイゼーションではシステムが重複していたり、利用頻度や重要度が低かったり、使い勝手が悪かったりといった理由から、既存資産のスリム化を図る。あるベンダーによると、既存資産のなんと6割まで破棄できるという試算もある。これに対しては、富士通でも数多くの実績を持っており、プログラムの本数として約半分まで落とせるという試算を明らかにした。とはいえ、システムやコードを捨てるのは容易だが、重複部分を探し出すのは難しく、動かないシステムになり兼ねないという懸念もあるという。

スリム化のフェーズ

 さらに富士通ではスリム化を進めつつ、現在のシステムが今後レガシーシステム化してしまうことを避けるため、さまざまな施策やツールを用いていると説明した。たとえば、ハードコード自体をなくすことで、プラットフォーム依存を減らしたり、変更頻度の高いところにルールベースの開発手法を導入することで、設計書を不要にするといった取り組みが行なわれているという。「あるキャリアさんの料金計算システムで、ルールベースの開発手法を取り入れたところ、コード量は1/7、期間は1/3に減りました」(中村氏)ということで、実績も出てきている。

 最近は、ユーザーとなる情報システム部のニーズも大きく変わっているという。「メインフレームの刷新など既存システムの移行はかなり進んでいる。逆によりICTを戦略的に活用しようというニーズが増えている」(中村氏)とのことで、積極的なユーザーと保守的なユーザーの二元化が進んでいるという認識を示した。

 中村氏は「われわれの強みは顧客に寄り添い、業務を知り抜いているところ」と述べ、単なるクラウドへの移行だけではなく、アプリケーションの刷新という最大の課題から立ち向かうことをアピール。今後、モダナイゼーションが他社に比べた差別化要因としてますます大きくなるという見込みを示した。

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