楽天が9日、2013年1-3月期の決算を発表した。それによると、当期純利益は前年同期比40.1%増の142億円と大幅の増益となった。売上高は1131億円(同26.0%増)、営業利益は229億円(同23.1%増)。非常に堅調な第一四半期だった。
主力事業である楽天市場は安定的な成長で推移。ECにおけるユニーク購入者数や注文件数も前年同期比10%以上の成長を見せ、国内のEC事業流通総額は3817億円と同14.5%の増加となった。また、スマートフォン及びタブレット端末向けのサービスを強化した結果、モバイル経由での流通総額についても同38.4%増と大きく成長した。なお、子会社で電子書籍事業を展開するKoboについての発表もあり、電子書籍事業についても売上が前年同期比で98%増とするなど、順調に拡大していると報告しているが、具体的な金額については公表していない。
また、インターネット金融事業も大幅増となった。クレジットカード関連サービスでは「楽天カード」の会員が増加したことに伴い、取扱高は前年同期比で36%増。「楽天証券」でも国内株式市場の活性化を背景に収益が拡大し、金融部門全体での売上収益は461億7000万円、前年同期比57.3%増と大きく伸びた。
楽天の最大のライバルといえばアマゾンだが、アマゾンも先月発表した決算で、前年同期比22%増の売上となっている。低価格攻勢をかけるアマゾンとの差別化が今後も鍵となることは間違いない。
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