「dynabook KIRA V832」Webオリジナルモデルの魅力を探る 第2回
東芝の13型Ultrabookの使い勝手とベンチを紹介
2560×1440液晶を持つ「dynabook KIRA V832」の使い勝手
2013年05月10日 11時05分更新
東芝のWindows 8搭載Ultrabook「dynabook KIRA V832」は、2560×1440ドットの美細ディスプレーに尽きるといってもいいほど、これからのノートPCのスタンダードになりそうなWQHDのインパクトがあまりにも大きい。第1回では写真中心に開封直後のインプレッションをお伝えした。第2回では、平常通りのレビューを中心にお送りしていこう。
13.3インチに、WQHDのメリットはもちろんモバイル環境でもウィンドウの複数配置が楽であったり、アプリケーションのメニューをスクロールなしですべて表示可能であったりがある。とくにメニューやパネルの多いアプリケーションをモバイル環境でも酷使するようなユーザーにとっては、そう福音以外の何ものでもない。
といっても画面がきれいなだけでは意味がないUltrabookになってしまう。実際に使い勝手はどうなのか。原稿作成に加えて写真処理もある取材仕事に導入して、現場作業での運用を中心にチェックしてみた。
なんだかんで持ち運びは楽
本体サイズは約幅316×奥行き207×高さ9.5~19.8mmで、重さ約1.35kg。重さはUltrabookの中では標準的な重さだが、ハイエンド機種の多い13.3型の中ではやや重い部類に入る。常用するノートPCによっては重く感じないという人もいるだろう。ただこれまで解像度的な問題で別途サブディスプレーやタブレットを持ち運んでいたというのであれば、荷物の削減につながるため、我慢できる重さといったところだ。
筆者の場合だと、取材時の必須デバイスとしてXperia table Z(重さ495g)がある。「dynabook KIRA V832」と合わせての重量はほぼ2㎏。作業環境優先に加えて、紙資料を極力減らしているため、取材時の移動に不便は感じていない。
このあたりは、楔形のデザインも助かっている。取材会場での取り出しや移動といったときに、薄い部分からカバンに押し込みやすいのだ。また取り出しや移動が増えてくると気になるのが剛性だ。筐体は全面マグネシウム合金を採用しており、天板はプレス加工を行ない、堅牢性を保ちつつ、天板部分の厚みは約5mmと薄化に成功している。キーボード側も同様に一体成型になっており、とくに触る部分だけあって堅牢性をよく体感できるだろう。
一方、少し不安になったのは、天板部だ。軽く押してみると、それに合わせて天板部が軽くへこんでしまう。といってもそのとき、ディスプレー部分が変色することはなく、また人との接触がある取材会場でも、カバン内部でへこむことはなかったため、微妙に凹むのはクッション的な役割だと思われる。堅牢性のチェックは、上記の取材現場に加えてラッシュアワーでも行なった。ラッシュアワーを乗り切ったので、よほど強い接触でもない限り、筐体へのダメージは考えてなくて大丈夫だろう。
キーボードはややクセあり
キーボードを見てみよう。横長のキー形状をしているが、キーピッチ19mm、キーストローク1.5㎜。またキートップはわずかにくぼんだ形になっており、指先でキーの位置を見つけやすい。A~Zなどの通常キーに比べてハーフサイズのキーが点在しているが、その数は少なくあまり気になるという人はいないと思われる。
本原稿はdynabook KIRA V832で作成しているが、気になったことがある。それはdやkの入力をしくじりやすい点だ。筆者の打ち癖もあるかもしれないが、「く」と入力したつもりが「う」になっている事が多々あった。横長キーなのでいつもの正方形キーの間隔で入力しているからか、微妙にキーを押し切れていないといったところだろうか。慣れてくると、そんなミスはさすがに減ってくるのだが、長文をよく作成するという場合は事前のチェックを強く推奨する。
クリックパッドはほぼiPhone 5に近い面積で、感度もよく、また外観デザインに合わせた形状もあり、キーボード面を見たときのまとまりはなかなかのものだ。クリックボタンは一見すると、下部にあるライン部分のみと思ってしまうが、実際にはクリックパッド下半分がボタンとして機能しているため、極端に押しにくくはないだろう。なおパームチェックは人差し指第1関節程度から有効になるため、軽く手のひらがクリックパッドに触れてしまうタイプの人も誤入力が少なく、快適に操作できるのではないだろうか。筆者がそのタイプで、ときおり反応するくらいなのでとても助かっている。
高精細ディスプレーの視認性はきわめて良好
2560×1440ドットに加えて、PPIも高く「デスクトップアプリメニュー」にある「画面設定ユーティリティ」で、テキストサイズを変更可能で「表示領域を最大化」にした場合は、極小の文字が並ぶデスクトップになる。あまり描写がよろしくないWindows 8のフォントでも問題なく視認できるため、文章の入力や読書は別として、よく使用するアプリケーションのメニュー操作は補助確認しながらあっさりとできるだろう。
とくにGUIの多いアプリであるほど、2560×1440ドットは効果的。Adobe製品やExcelを多用するのであれば、その恩恵にあやかれる。筆者であれば、現像ソフトのUIをたたむことなく、よく使うものをすべて表示できるため、取材時の作業に役立っていた。
「(次ページ、「解像度が上がったぶん、性能はダウンしたのか?」に続く)
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