WiMAXからはじまったデザリング時代の幕開け
モバイルルーターの速度向上から若干遅れて、テザリングの利用可能機種が拡大した。2012年9月発売のiPhone 5では、当初はauだけだが国内iPhoneではじめてテザリングが可能となり、今まで上級者向けだったテザリングが一気に一般化したのが現在の状況だ。
振り返れば、当連載の第1回目で扱ったのがドコモのテザリングだった。同時期にはauもテザリングをウリにしたスマートフォンが登場しており、連載でも2代目となる「HTC EVO 3D ISW12HT」を紹介。auは、WiMAXによる高速通信に対応し、月々の費用もドコモよりも安かった。
auのWiMAXテザリングは、WiMAXを利用することで月額525円プラスとなるが、それ以外に追加料金はなく、auの3Gエリアも利用できることでエリアの心配もない。
今から思えば本格的なテザリング時代の幕開けのようなWiMAXテザリングだったが、対応機種の問題からかあまり普及したとは言いがたい面もあった。auのテザリングが一般化するのはLTEスマートフォンの登場や、iPhone 5まで待たなくてはならなかった。
一方、モバイルデータ通信の代名詞的存在のイー・モバイルも負けてはいない。2007年の開業時にモバイルルーターにもなるPDAを出していたイー・モバイルだが、2011年はじめに「Pocket WiFi S」としてスマートフォンの「S31HW」を登場させた。
スマートフォンであるが、「Pocket WiFi」の名前のとおり、モバイルルーターとしてのテザリング利用がメインで、スマートフォンとしての利用はサブだった。その後、徐々にスマートフォンの役割をメインに据え、現在はLTEに対応、最新スペックを持ち、料金面でもモバイルルーターとほぼ同じで使える「STREAM X」(GL07S)が登場するに至った。
ドコモはテザリング利用可能機種を拡大するが、FOMA(3G)でテザリングを行なうとパケット上限額が月額2730円(2011年10月までは4935円)高くなるため、機器がひとつになる以外にテザリングのメリットは少なかった。
しかし、Xi(LTE)スマートフォンが登場した後はテザリングによるパケット料金の増加がなく、ほぼ全機種が対応したことで利用者も増えていると見られる。
また、ドコモはパケット定額の上限が通常の7GBのほかに3GBのライトプランも用意しており、あまり使わない人なら少し費用を抑えられる。また、裏技的になるが、Xi契約にしておけば、FOMAスマートフォンも追加なしでテザリングができる。
実はFOMAのiモード携帯電話の中にはテザリング機能を持っているものが以前からあり、“ガラケーでテザリング”ができるのもドコモの特徴だ。
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