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速くて便利! 実測でわかるモバイルデータ通信 最終回

初代「Pocket WiFi」から始まったモバイルルーターを振り返る

2013年05月09日 12時00分更新

文● 正田拓也

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MVNOが花開き、ルーター利用よりも個々の端末で通信へ

 ここ最近のデータ通信界隈のトピックと言えば、MVNO各社の頑張りで、月額1000円以下でもデータ通信ができるようになったこと。この春、注目の月額1000円以下のMVNOを特集したが、その後もIIJmioがサービス拡充をするなど、競争は激化している。

 これまで複数のスマートフォンを保有している人は(金銭的な理由から)モバイルルーター経由で通信するのが一般的だったが、月額1000円の低価格サービスが登場したことで個々の端末に格安SIMを入れても費用が高額にならなくなった。

 格安のSIMは高速で通信できる容量がほんのわずかだったり、まったく高速サービスが利用できないこともあるが、通信できないよりはずっと便利。MVNOにより週末にタブレットを片手に外出するような使い方が現実的になった。

 MVNOのサービスは安いという以外にも特徴がある。この連載でも再三訴えているのが、最低利用期間などがないサービスが多いという点。たとえば都合で短期間だけ使うことが決まっている場合、2年契約解除の料金まで含めるとMVNOの便利さが出てくる。また、業務のために使う場合、プリペイドタイプのMVNOなら契約の時間や手間がかからず、経費の精算もしやすいこともある。

BIGLOBE LTE加入者向け限定で提供された「Aterm MR01LN」

BIGLOBE LTE加入者向け限定で提供された「Aterm MR01LN」

 一方、安さとともに独自端末の提供という面もあるのがMVNOの面白いところ。BIGLOBEならほかで手に入らないNECアクセステクニカ製の端末が提供されるほか、今は“ほぼスマホ”と称してデータ通信に特化したスマートフォンまで提供している。

 また、ウェブ上のショッピングモールのポイント付与等の特典付きMVNOもある。「楽天スーパーWiFi」ならモバイルルーターの利用に応じてポイントがたまる。サービスは元のイー・モバイルと同等なので、楽天の利用者ならこちらを選んだほうがお得だろう。

モバイルルーターの未来はどうなる!?

 さて、これからのモバイルデーター通信はどうなっていくだろうか。しばらくはテザリングの利用拡大が進むと思われる。すでにスマートフォン用にパケット定額料を払っているなら、その範囲でテザリング利用をすれば、追加の費用もゼロかわずかで通信ができるので、誰でもノートPCを接続して通信ができる。

 モバイルルーターを維持していく予算があった場合、ルーターでなくスマートフォンを買ってモバイルルーターとして使っていく方法もある(関連記事)。しかも、今ならiPhone 5でさえ、モバイルルーターと変わらないコストで維持できる可能性がある。

 ただし、モバイルルーターも負けてはいない。上記の格安維持のiPhone 5はさまざまなキャンペーンや店独自の割引などがうまく重なった結果だが、モバイルルーターもショップ独自の割引がうまく重なったケースでは、もっと割安に使える場合もある。高い印象のドコモでさえも安くなることもある。

 月額費用が下がらなくても、家電量販店で行なわれているようなノートPCとのセット購入の割引も魅力的だ。たとえば、同時購入のPCを3万円引きしてくれれば、2年間、月額1250円安くなることと同等だ。

 MVNOもこれから安値競争一辺倒に終始するのではなく、ユニークな制度の通信サービスを用意してくると思われる。モバイルルーターの今後に注視したい。

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