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Software Definedの未来は?EMC World 2013レポート 第3回

垂直統合型システムのメリットをストレージにも?

クラウドスケールのデータセンターを実現するViPRの強み

2013年05月08日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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EMC World 2013初日の夕方に行なわれたEMC プレジデント兼COOであるデビッド・ゴールデン氏の基調講演では、「Software-Defined Storage」というそのものずばりのタイトルが付けられていた。もちろん、その主役は午前中の講演でも、プレスイベントでも説明されたストレージ管理プラットフォーム「ViPR」である。

ストレージの仮想化をより拡大

 ViPR登場の背景はデータセンターの仮想化・クラウド化という動向に立ち戻る。「サーバーやネットワークだけではなく、ストレージも仮想化・自動化を推進すべき。それを実現するのがSoftware-Defined Storage」という文脈だ。確かに現状、サーバーの仮想化はプレイヤーがある程度限定され、ネットワークの仮想化は業界全体が取り組んでいる。ストレージ分野だけ「ベンダーの閉じた仮想化」が主流というのは間違いない。性格の異なる多種多様なストレージに対して、しかもマルチベンダーで仮想化・自動化を推進するという戦略は、方向性として正しいはずだ。

EMC プレジデント兼COO デビッド・ゴールデン氏

 もう1つの背景は、ポイントプロダクトのみではなく、製品全体でのビッグデータへの対応を実現するという目論見になる。基調講演でゴールデン氏は「1つあたりの注文で41PBという案件が現れている」とビッグデータ化が顕著に進んでいることをアピール。こうした中、高い拡張性を確保しながら、ユーザーに構築や運用の負荷をかけないのが、ViPRの役割ではある。ゴールデン氏は、「Googleのように多くのエンジニアを雇用しなくても、クラウドスケールのデータセンターインフラを実現できる」と述べる。ゴール自体はきわめて明確というわけだ。

ViPRコントローラーによる4つの機能

 さて、肝心の中身だが、ViPRコントローラーの基本機能としては、プロビジョニング、セルフサービス、レポート、オートメーションの4つになるという。基調講演では、先行ユーザーであるUBSのアンディ・ブラウン氏がデモを踏まえて紹介した。

UBS CTOのアンディ・ブラウン氏(左)とEMC プロダクトオペレーションズ&マーケティング エグゼクティブ バイスプレジデント ジェレミー・バートン氏

 プロビジョニングのフェーズでは、まず既存のストレージを自動的に抽出し、さらにストレージの能力まで調べてくれる。さらに「サービスレベルを定義すると、仮想のストレージプールを作ってくれる」(ゴールデン氏)という。どういった設定を行なったかは、トランザクションログで確認できる。

ストレージプールのポリシー設定

アプリケーションを設定するセルフサービスカタログ

 さらに、ユーザーはカタログを選ぶだけで、アプリケーションに最適化されたストレージのプロビジョニングを実行してくれる。VMwareのVDI、Exchange、Oracle DBのほか、Hadoopや同社のSourceOneなどのカタログが用意される予定。このセルフサービスにより、ユーザーはストレージリソースを迅速に提供することが可能になる。

 また、レポート機能も持っている。もともと物理ストレージのレポーティングに関しては、SRM Suiteという管理ツールがその役割を担っていたが、今後は論理的なストレージの状態監視をViPRコントローラーが受け持つ。

 注目したいのが、やはり自動化という部分だ。ゴールデン氏が挙げた例は2つのサイトにまたがるレプリケーションやSAN設定、サーバーのマウントまでプロビジョニングの自動化が進むというもの。ゴールデン氏によるとバックアップやリカバリなどもViPRで統合されることになり、将来的にはRecover PointやData Domainなどを用いたデータ保護システムがViPR上から扱えるようになるようだ。アプリケーションに合わせたノウハウを製品に統合したという意味では、昨今話題の垂直統合型システムのストレージ版といった位置づけなのかもしれない。一方で、新ハードウェアではなく、既存のEMC製品で利用できるという点は1つの強みになるだろう。

プロビジョニング、セルフサービス、レポーティング、オートメーションなどの機能を持つ

 コントローラーサービスの上位にあたるデータサービスとしては、まずオブジェクトストレージが投入され、あとからファイル、ブロック、HDFSなどのデータに対応する。また、VMwareのvSANやvVolなどと連携し、ストレージと仮想サーバー間とのボリューム管理は自動化が進むという。MicrosoftやOpenStackに対応するというのは既報のとおり。今後はオープンな水平分業的な展開が予想される。

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