4月24日に行なわれたEMCジャパンのパートナー向けイベント「EMC Velocity Workshop 2013 Spring」懇親会の部では、2012年の販売実績や貢献度などを元にした「EMCパートナー・アワード 2012」の表彰式が行なわれた。「総合部門」「ビジネス・リーダーシップ部門」「ソリューション部門」「特別分野部門」の4部門で11社が選出された。
売り上げを6倍にまで引き上げたCTC
総合部門の「Partner of The Year 2012」を獲得したのは、伊藤忠テクノソリューションズだ。昨年度に引き続き、ユニファイド・ストレージ「VNX」の販売実績が国内1位になったほか、バックアップ・ストレージである「Data Domain」のビジネスを大幅に強化。自営保守・自営インプリ体制を構築し、売り上げも前年度比でなんと6倍にまで引き上げたという。さらにVelocity Solution Provider Partnerとして3つのSpecialtyに加え、Data Science & Big Data Analysisの資格取得などを行ない、EMC戦略全般に大きく貢献した点が評価された。
伊藤忠テクノソリューションズ 常務執行役員 クロスファンクショングループ担当役員 兼 CTO 大久保 忠崇氏は、「CTCがEMCを取り扱い始めた1996年、当時の社長から『UNIXサーバーがミッションクリティカルなシステムを使われるこれからの時代はストレージビジネスが大事だ』と言われ、当時金融担当だった私がEMC製品を担当することになりました。そして、その2ヶ月後には大手銀行からオーダーをいただき、あれから10数年が経って、こんな賞をいただきました。今回の受賞は個人的にも感無量です」と受賞についてコメントした。
Data DomainやVNXeの販売が大きく貢献した2社
「ビジネス・リーダーシップ部門 SMBリーダーシップ賞」はネットワールドが受賞した。本格的な取り扱いを始めたData Domainの出荷台数が記録的だったことに加え、2次店販売パートナー向けのトレーニングやマニュアル、貸出機の提供など積極的な施策が評価された。登壇したネットワールドの代表取締役社長 森田 晶一氏は「半年くらいかかったが、Vblockでも大規模な案件を受注できた」と述べ、エンタープライズでの案件もチャレンジしていくと説明した。
また、今回より新たに加わった2次店向けの賞である「ビジネス・リーダーシップ部門 Affiliate賞」は京都電子計算が初受賞となった。同社は、京都・滋賀エリアの公共・文教分野、特に自治体の顧客向けにVNXe、VNX、Data Domainを積極的に販売。VNXeの国内1号機の受注として池坊短期大学への導入を獲得し、事例の作成にも尽力した点が評価された。
ソリューション部門はVSPEXやRSAでの実績が評価
ソリューション部門は4社が選出された。「IT Transformation VSPEX賞」を受賞したネットワンシステムズは、VSPEXのパートナーとして拡販に取り組んだことが評価された。ネットワンシステムズ 常務執行役員 大塚 浩司氏は、「受注件数は少なかったが、台数では3桁の市場特化型VSPEXを販売できた。今後も昨年以上に販売していきたい」と述べた。なお、ネットワンシステムズは5月にラスベガスで開催されたEMC Worldと同時開催の「グローバル・パートナー・サミット」でも表彰された。
「IT Transformation MSソリューションズ賞」はマイクロソフト向けのソリューションを展開する日本ビジネスシステムズが獲得した。昨年に引き続いての受賞になる日本ビジネスシステムズの代表取締役社長 牧田幸弘氏は、「EMCから手厚いサポートを受け、仕事もしやすかった。ここ3年で、EMCはパートナー・プログラムがもっとも先行するようになった」と、EMCジャパンを高く評価した。
「IT Transformation Trust BRS賞」はメインフレーム向け仮想テープソリューションの市場開拓に尽力したシー・エル・シーが受賞した。 EMCがBus-Techを買収する以前より独自にBus-Tech MDLシリーズの保守、構築の販売体制を確立し、後継製品であるDLmシリーズの立ち上げにも大きく貢献。DLm国内第1号の案件受注を皮切りに、短期間で複数台の実績を上げたという。
「IT Transformation Trust RSA賞」はテクマトリックスが受賞した。RSAセキュリティ部門との販売代理店契約締結から15年を迎えた2012年は営業面での高い目標を掲げ、既存ならびに新規ユーザーにセキュリティソリューションを提案。複数の新規大型案件を勝ち取り、過去最高の売上実績を達成したという。
特別分野はビッグデータやクラウドへの取り組みが評価
特別分野部門は4社が選出された。まず「Big Data賞」に選出されたのは、Isilonビジネスを昨年比2.4倍にまで伸ばした図研ネットウエイブだ。独立行政法人をはじめとする公共研究機関でのデータ解析、動画配信サイトでの配信データ格納などこれぞビッグデータといった用途のほか、ログ管理システム用ストレージとしてのEMC Centeraからのマイグレーションも行なった。ほぼ2カ月に1回のペースで行なわれたIsilonプライベートセミナーを東京以外の大阪、名古屋でも開催し、地道な拡販活動が大きな実を結んだという。
「特別賞 ニュー・テクノロジー」は、IBM System i環境におけるバックアップおよびDRソリューションとしてData Domainの導入を推進した兼松エレクトロニクスが受賞した。国内でも事例が少なかった接続検証を率先して実施し、導入事例の作成にも協力。国内におけるIBM System i 環境バックアップソリューションの市場開拓に尽力したことが評価された。
「特別賞 クラウド・ビジネス」を受賞したのは新日鉄住金ソリューションズ。2012年6月にSymmetrix VMAXやVNX、Data Domainを採用した新しいクラウドサービスとして「absonne」を刷新。スタート直後に複数の顧客を獲得したほか、2012年はVelocityパートナーとしての契約して以来、過去最高の取引実績を達成したという。
そして、「特別賞 トップ・パフォーマー」に選出されたのはNECだ。2012年も年間を通して、Velocityパートナーの中でNo.1の売上実績を達成し、トップ・パフォーマーに選出された。また、国内1号機、2号機となる「Symmetrix VMAX 40K」の導入を実現したほか、幅広い分野において、EMCのビジネス拡大に尽力した。NEC ITプラットフォーム事業部 シニアマネージャー 藤原 一之氏は「EMCと手を取り合い、今後も日本でのストレージビジネスを拡大していきたい」と抱負を述べた。
昨年はVNX/VNXeやIsilonの拡販やソリューションが多かったようだが、今年はそれらに加えData Domainの販売が目立っていた印象がある。来年は、通信系やクラウドなどの需要を見込んだサービスプロバイダー市場の開拓が大きな焦点となるだろう。
(提供:EMCジャパン)