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業界人の《ことば》から 第37回

スマホ率は全体の3/4に、しかし携帯電話機は捨てない

いぜんiPhoneに慎重な姿勢示すドコモ、その背景は?

2013年04月30日 09時00分更新

文● 大河原克行

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 スマートライフのパートナーを目指すNTTドコモにとって、スマートフォン基盤の拡大は重要なテーマとなる。

2013年度、3/4がスマートフォンとなる

 加藤社長は、2013年度のスマートフォンの年間販売計画を、前年比2割増となる1600万台を掲げ、さらにスマートフォン利用のベースとなるXi契約数を2.2倍となる2500万契約目指す計画を明らかにした。

 「スマートフォンは2011年度は882万台、2012年度は1329万台。2012年度は全体の3分の2がスマートフォンだったが、2013年度は4分の3がスマートフォンになる」と語る。

 そして、「スマートフォン基盤を2倍に拡大することで、将来に向けた成長の基盤が確立できる」とし、これを基盤として、スマートライフのパートナーを目指すことになる。

Xiは1200万契約を突破し、前年度比で約5.2倍に増えた。2013年度は2500万契約を目指す

自らサービスを提供する上で、アップルとの立場は対立する?

 スマートライフのパートナーを実現する上で、iPhoneのポジションとは一線を画すことになる。

iPhoneについては依然慎重なコメントを出しつつ、自由度の高いOSとしてTizenをアピールする加藤社長

 加藤社長は、「ドコモの事業の進め方は、自らがプロバイダーとして、スマートライフのパートナーとなることである。その点を踏まえて検討しなくてはならない」と、アップル自らサービスを提供するiPhoneの取り扱いには、依然として慎重な姿勢をみせる。

 その一方でドコモが採用を表明している新OS「Tizen」(タイゼン)搭載スマートフォンについては、「TizenはオープンなOSであり、Androidよりも自由度が高い。ドコモが目指す『スマートライフのパートナー』を実現するためには、それに相対するOSに自由度がなくてはいけない。提供する機能や、クラウド連携という点を考えて、Tizenを採用していくことになる」と、今後の製品化に前向きな姿勢をみせる。

従来型携帯電話機には依然、高い需要がある

 ところで、問題となるのはフィーチャーフォンの取り扱いだ。スマートフォンの販売比率が高まり、「スマートライフのパートナー」を推進するドコモにとっては、フィーチャーフォンの今後の存続が気になるところだが、加藤社長は、「フィーチャーフォンについても根強い需要があるため、これからもずっと出し続ける。音声についても改善をしていく」と断言した。

 「スマートライフのパートナーへ」を目指すドコモにとって、フィーチャーフォンは、戦略の中心製品にはならない。むしろ、足かせになる可能性もある。果たして、フィーチャーフォンでスマートライフを実現することはできるのだろうか。今後のフィーチャーフォンの継続には、その点も大きなポイントになりそうだ。

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