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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第16回

アメリカのテレビドラマ制作に学ぶ

課金コンテンツ、成功のデザイン

2013年05月03日 09時00分更新

文● 前田知洋

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賞味期限を長くするために制作費をかけ映画並みの作りに

 ペイTVの特徴は、同じシーズンの同じドラマを繰り返し流すことにもあります。つまり、一度見た回を繰り返し見る視聴者が多くいます。「シーズン1」と「シーズン2」を見て、新しい「シーズン3」が始まる前にまた「シーズン1」→「シーズン2」→「シーズン3」と放映するスタイルが定着しています。そうした視聴に耐えられ、視聴者に飽きられない為に制作費に大金をかけます。1話あたり約18億円(2170万ドル 『ザ・パシフィック』)かけたり、1話完結に41億円(5000万ドル 『Boardwalk Empire』)をかけたドラマもあります。もちろん、登場する俳優や監督は映画界から参入しています。

 冒頭でも説明したように、ペイTVの加入者の減少はHuluやiTunesなど、テレビモニタからiPadやコンピュータスクリーンなどのデジタルデバイスに視聴者がシフトしているからだと推測されています。多チャンネル化でユーザーの需要を拾い上げる一方で、1つのコンテンツに様々な人種や価値観などを巧く配置し、世界中でウケる要素を盛り込むことにアメリカンドラマは成功しています。ちなみに先ほど例に出した「24」は日本では累計で3億回ビデオレンタルされています。

 もちろん、すべてのコンテンツ発信者がハリウッド並みの制作費をかけられるわけではありません。しかし、ネットで混迷している課金コンテンツのポイントは「ユーザーの嗜好にフレキシブルであること」「ユーザーが親しみを持てる要素」「繰り返しのアクセスに耐えるクオリティーであること」であると筆者は推測しています。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。現在、ビジスパからメルマガ「Magical Branding-セルフブランド活用法-」を配信中。

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