やっぱり2年くらい前に見たわー
── まず聞きたいのは、1月22日からアニメイト秋葉原で展示している「CeVIO Vision」についてです。あれは「MMDAgent」なんですか!?
ブイシンク・加藤さん(以下、加藤) そうですね。MMDAgentをベースに拡張したシステムです。
── やっぱり! しかしどうしたご縁で……。
加藤 弊社はもともとソフト屋ですが、最近ではデジタルサイネージに注力しています。ちょうどご縁があって、2年前の2011年、名工大が正門にMMDAgentの音声案内サイネージを設置した際に協力させてもらいました。そのときに出来上がってみて、これはすごいなと。これをなんとかビジネスにできないかといろいろな企業にお声がけさせていただいて、プロジェクトが始まったんです。「CeVIO Vision」はその第一弾で、弊社が筐体を、フロンティアワークスさんがキャラクターの「さとうささら」を、名工大の学内ベンチャー「テクノスピーチ」がMMDAgentを担当しています。
── いつぐらいから開発が始まったんでしょうか?
加藤 2011年の春夏ぐらいで「スゴいね」という話が出ていましたが、そこからどんな形で、何を世に出すと面白いかという議論が長かったんです。
フロンティアワークス・中田さん(以下、中田) 1年以上はかかってますね。
── およそ4ヵ月展示していて、反応はどうでしたか?
中田 広告媒体としては、すごく目を引くと思います。明るいディスプレーで、女の子がふらふら動いてて、突然作品の紹介をしだすというインパクトは大きいですよね。秋葉原に足しげく通っている方々にはおなじみになってしまいましたが、たまに週末に来る方にウケがいいです。先日は、観光ツアーで来ていた外国の方にぐるっと囲まれていたのが驚きでした。
── 2013年に生まれたアキバの新名所みたいな。
中田 「世界よ、これが日本のアキバだ」という(笑)。ただ、会話できるようになっているんですが、なかなか街の開けたところで二次元の女の子に向かって話しかけるというのはハードルが高いようで、今はスタッフが立ち会ってデモしていることが多いです。団体でこられている女性の方々だと試してもらえることもあるんですが、男性の方はちょっとシャイ。ただ、「これってMMDですか?」みたいな質問はいただいたりします。
── アニメイトの全店舗に置く予定はないのですか?
中田 全店の店長からは「くれ!」と言われてるんですが……。
── ですよねー(笑)
中田 フロンティアワークスはアニメイトのグループ会社で、関係はあるんですがもちろん導入にはお金がかかるんですよね。だからまず秋葉原や池袋などの大型店から始めて、お客様の反応を見て進めさせてください、と。
加藤 デジタルサイネージは面白そうだから作ってみたんですが、売るとなるとそこそこの値段になってしまうんです。アニメイトは客層がしぼられているので、そのお客さんが喜んでくれる機能をある種ロケテスト的に増やしていこうという考えです。
中田 CeVIO Visionも進めつつ、キャラクターの認知度を挙げていければという考えです。その先にある第2段が、Windows用の音声合成ソフト「CeVIO Creative Studio」ですね。