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速くて便利! 実測でわかるモバイルデータ通信 第39回

今、激安なiPhone 5をモバイルルーターとして使う!

2013年04月25日 12時00分更新

文● 正田拓也

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auとソフトバンク、どっちのiPhone 5がお得!?

 となると、ソフトバンクとau、どちらを選ぶかが問題だ。実際の体感速度やLTEのエリアの広さの違いもあるが、本記事ではコストの面に注目して考察してみたい。

 まず、4月現在、両社とも16GBで一括0円という店はTwitterを見ていると確かに存在する。ただし、さまざまな条件があり、まず、MNPによる乗り換え、学割の適用が条件ということと、指定オプションの加入が求められることがある。

 といっても、iPhone 5の場合、店によってはパケット定額やプロバイダー、2年契約といった絶対必要なオプション、もしくはユーザーに有利に働くオプションに加えて、有料保証といった程度の場合が多い。学割は社会人は適用できないが、その場合一括価格が高くなる。

 社会人の場合の一括価格の上昇は、auが1万円程度、ソフトバンクは1万5000円程度上乗せされる。これはあきらめて負担するしかない。

 ここだけ見れば、単純にソフトバンクのほうが高いと思ってしまうが、万一、iPhone 5を使わなくなった場合のことを考えると不利とは言いきれない。現在のiPhoneの買取相場はソフトバンク版のほうが高値。今後2年使った後にどうなっているかわからないが、高値で売却できるならトータルの差は縮まる。

 ちなみに、パケット定額サービスなどを解約して維持費を最低に抑え、2年契約の満了を待つ場合の費用はどうか。

 2年契約の途中で解約する場合の費用が9975円かかるのはauもソフトバンクも同じ。プランを変更して費用を抑えて回線を維持する場合は、auはパケットサービス自体を解除することで月額3円で維持が可能だが、ソフトバンクは基本使用料の割引はパケット定額の加入が条件や、まったく解除できない場合もあるで、月額1688円になる。

 auが圧倒的に有利に見えるが、auはパケット定額(フラット)を一度外すと、補助制度である毎月割が消滅してしまう。auは一度外したら3638円での利用が復活できない点を覚えておこう。

ドコモのモバイルルーターからiPhone 5に乗り換える!

 さて、手持ちのモバイルルーターの回線をMNPでiPhone 5に移行するという場合は注意が必要だ。MNPに使える携帯電話の回線は音声回線に限定され、モバイルルーターで通常使われるデータ回線は対象外なのだ。

 別に余っている携帯電話の回線があればいいが、無理にMNP用のために別に新規契約するというのも本末転倒。そこで、NTTドコモのモバイルルーター限定だが、データ回線をMNPするための方法を紹介しておく。

 ドコモの場合、データ契約を音声契約、音声契約をデータ契約に簡単に変更することが可能だ。もし、2年間使ったデータ回線があれば、一度音声契約にして、そこからMNPすれば無駄にならない。変更方法はドコモ インフォメーションセンターに電話するか、ドコモショップで依頼する。

 注意しなければならないのは、FOMAの場合でもXiの場合でも移行先は2年契約ではない音声プランにすること。せっかく2年契約があけ、契約に手数料がかからない回線を再び2年契約で縛ってしまっては意味がない。

 また、データ回線からの変更は2年契約の解除費用のかからない更新時に行なうようにしたい。Xiの初期に契約したXiデータ回線の場合、2年契約の更新月でない場合、解除料は9975円だけで済まない回線もある。

 さらに契約種別の変更は通常の料金プラン変更とは異なり、ドコモとの契約状況によっては断られる場合がある。

 それらの“障害”をクリアした上でめでたく音声契約になったら、その回線はMNPで乗り換えできる回線へと昇格! MNPのための準備へと進もう。

お得なau版iPhoneだがLTEエリアの狭さがネック

ビル奥の喫茶店ではLTEにならず「3G」に

ビル奥の喫茶店ではLTEにならず「3G」に

速度計測アプリでも測ってみたが、似たような数値だった

速度計測アプリでも測ってみたが、似たような数値だった

 というわけで、この春お得にゲットしたiPhone 5のテザリングを利用し、いつものようにデータ通信速度を計測してみた。今回は途中で維持費を抑えることができるため、au版のiPhone 5を選んでみた。

 計測した場所はいつもの都心部の公園、ビルの屋上、ビル置奥の喫茶店だ。

下り通信速度の測定結果(単位はMpps)

下り通信速度の測定結果(単位はMpps)

上り通信速度の測定結果(単位はMpps)

上り通信速度の測定結果(単位はMpps)

 残念なのは、計測ポイントのうち、ビル奥の喫茶店ではLTEエリアにならなかった。正確に言えば、最初アンテナマーク1本で圏内だったが、通信が不安定ですぐに「3G」に変わってしまう。このため計測は「3G」で行なっており、結果的に数値が低くなっている。

 そのほかの場所ではLTEで通信しているが、LTEのサービス当初に比べると混雑の影響からなのか、いくぶん速度が遅く感じられた。実は同じような条件(混雑具合など微妙な環境変化で数値は変わるので厳密に同じではないが)で昨年11月にも計測しているが、数値だけ見ると速度が遅くなっている。

 auのLTEの場合、ほかのAndroidスマートフォンとiPhone 5は対応する周波数帯の関係でLTEエリアが異なる。800MHz帯と2.1GHz帯のエリア展開の違いもあり、現状iPhone 5のほうが明らかにエリアが狭い。auのLTEを使ってテザリング利用したいなら、iPhone 5ほど月々の補助(毎月割)の金額が大きな機種は少ないが、エリアが広く回線的にもまだ余裕があるAndroid機を狙ってもいいだろう。

 「3G」の状態であっても通常利用では特に困ることはなく、ウェブサイトの閲覧、テキストメールの受信ではサクサク動きストレスを感じなかった。LTEエリアの点がちょっと気になるが、auのiPhone 5はモバイルルーター替わりとして、十分な戦力になると言えよう。

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