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クラウドストレージでもセキュリティと利便性を同居

Dropboxでも安全・快適!日立Solの「秘文」に新製品

2013年04月23日 06時00分更新

文● 谷崎朋子

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4月22日、日立ソリューションズ(日立Sol)は情報漏えい対策ソリューション「秘文」のクラウドストレージ対応の新製品「秘文 Cloud Data Protection」を発表した。ファイルを暗号化してからクラウドストレージ上にアップロード、共有できることで、クラウドの利便性とセキュリティ対策を両立する。

クラウドストレージ+暗号化機能でセキュリティを強化

 秘文 Cloud Data Protectionは、クラウド上にある鍵管理サーバー、クライアントソフト、ビューアーで構成される。ユーザーは、クライアントを起動して秘文サーバーにログインし、クラウドストレージと同期するフォルダを作成。ファイルをそのフォルダに入れると自動的に暗号化され、秘文にログインしていない端末からは判読できない状態で保存される。ログインした端末であれば、ファイルはダウンロード後に復号化され、読めるようになる。

秘文 Cloud Data Protectionの仕組み

 ユーザーの利便性とセキュリティを両立する製品開発に注力してきた日立ソリューションズでは、今回の製品についてもその2点を徹底的に意識したという。

 たとえば、オフライン状態のファイル閲覧では、クライアント/ビューアーがキャッシュログインをサポートしているので、ローカルにある認証情報を使ってオフラインでもログインできる。飛行機内での利用など、ネットワーク接続ができない環境へ入る前に、一度接続してファイルを取得しておけば、オフライン時もキャッシュログインでファイルが利用できる。

 ユニークなのは、ファイルの利用後、ログアウト画面の「次回にオンラインログオンを強制する」というチェックボックスだ。これをオンにすると、オンライン接続でログインしないかぎり利用できなくなる。「ユーザー側が使い方を工夫することで、セキュリティ強度が高められる」と、日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部 プラットフォームプロダクト本部 プロダクト拡販支援センタ グループマネージャ 中川克幸氏が説明する同機能は、ユーザーが意識してセキュリティ向上に参加できる仕組みといえる。

日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部 プラットフォームプロダクト本部 プロダクト拡販支援センタ グループマネージャ 中川克幸氏

 また、同期フォルダを複数作成し、クラウドストレージ側で共有ユーザーをそれぞれ設定すれば、プロジェクト単位や部門単位でアクセス制限された共有フォルダができあがる。使い慣れたクラウドストレージの機能をそのまま活用するので、新たに覚えるものもなくセキュリティ強化が図れる。

幅広いクラウドストレージに対応

 現在、北米向けの情報漏えい対策ソリューション「Credeon」シリーズにて無料のトライアルサービスが提供開始されており、7月1日に販売予定という。日本では、5月31日にトライアルサービスを開始し、8月30日に販売開始。トライアル版では、クライアントまたはビューアーのインストール後、90日間の利用制限がある。

今後のスケジュール

 北米で先駆けてリリースした理由について、日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部 プラットフォームプロダクト本部 プロダクト拡販支援センタ長 此内優氏は「クラウド利用が先行する北米で得られた知見を国内モデルに反映できるようにしたため」と説明、“いいとこ取り”ができるとした。

日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部 プラットフォームプロダクト本部 プロダクト拡販支援センタ長 此内優氏

 対応するクラウドストレージサービスは、box、Dropbox、Microsoft SkyDrive、Googleドライブ(予定)で、販売モデルはサービス事業者経由とオンプレミス設置の2通り。

 価格は個別対応。「サービス版は提供事業者の判断によるが、MDMの月額利用料の数百円あたりを想像している。オンプレミス版は、主流の秘文製品が1端末あたり約1万円よりも安くなる見込み」(此内氏)。

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