簡易カーナビのPND市場ではトップメーカーである、オランダのTomTomが4月17日(現地時間)、GPS搭載スマートウォッチ「TomTom Runner」と「TomTom Multi-Sport」を発表した。ランニングなどフィットネスユーザーをターゲットとした端末で、今注目が集まっているスマートウォッチ市場に参入する。
Apple、Samsung、Microsoftの参入がウワサされるなど
注目が集まっているスマートウォッチ市場
TomTomはPNDを主力製品とするナビ端末メーカー。地図データTele Atlasも傘下に持つ。欧州ではスマートフォンのナビゲーション市場の拡大を受けGPSナビアプリなどのモバイル戦略も強化している。
2製品とも軽量・スリムなデザインで、大画面によるシンプルな操作性などを特徴とする。重さは約50g、厚さは11.5mmで、男性にも女性にもフィットするという。同社ディレクターのCorinne Vigreux氏は「これまでの厚ぼったいGPSウォッチ」の常識を変えると述べている。操作性では「One-Bottun Control」として、多数のボタンではなくメニュー方式により上下左右でナビゲートするため、運動中でも操作が容易とのこと。画面はキズ防止や障害吸収保護を施し、本体は防水対応となっている。
TomTom Runnerはジョギングやジムでのランニング向けのGPSウォッチで、組み込まれたセンサーを利用して歩数や速度、距離などの活動を追跡できる。ランニングマシン上での活動も追跡対象としている。GPSとGLONASS(ロシアの人工衛星を利用したGPS)を利用することで、位置情報をより正確に把握できるという「QuickGPSFix」も備える。Bluetooth経由で他のモバイル端末とも接続できる。
PCはUSBで接続可能で、自分のデータをフィットネスサイトで公開したり共有できるという。現在、自社の「TomTom MySports」をはじめ、「RunKeeper」「MapMyFitness」「TrainingPeaks」「MyFitnessPal」に対応、今後も拡充するとしている。
上位機種となるTomTom Multi-Sportは、これに加え、サイクリング、水泳にも対応、目標を設定し、達成度を追跡できる。自転車への装着にも可能、水泳での利用時には専用のモーションセンサーにより距離、速度、ラップ、ストロークなどもカウントできるという。両製品とも2013年夏に発売となる。提供市場や価格については公開していない。
スマートウォッチ市場は、今年始めに発売を開始した「Pebble」「I'm Watch」などがあり、Apple、Samsung、Microsoftといったメーカーが開発中との憶測もある。ABI Researchは、2013年のスマートウォッチの出荷台数を120万台を上回ると予想している。