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「うわ…うちのVLAN、多すぎ…?」というユーザー要注意

増えすぎたVLANをPersonal LANへ!アルバの提案とは?

2013年04月19日 10時30分更新

文● 渡邊利和

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4月18日、アルバネットワークスは同社の創業者でCTOのキルティ・メルコート氏による「今後5~10年のモビリティネットワークのあり方とBYODの本質」についての説明会を開催した。同氏は、オフィスの机に固定的に設置されたPC時代に発展したVLANというアーキテクチャーが現状にそぐわなくなっていることを指摘し、個々の従業員が複数の無線接続デバイスを持ち歩く時代に合った新たなアーキテクチャを提案した。

VLANだらけの企業ネットワーク

 キルティ・メルコート氏はまず、企業のネットワーク環境でVLANが増大していった経緯の説明から話を始めた。企業内では、オフィスの机上に設置されたPCを接続するために有線LANが敷設された。次いで、電話がVoIPになっていたとき、VoIP電話機を収容するために「VoIP用VLAN」が「PC用VLAN」とは別に準備された。これは、VoIPがリアルタイム性を要求するプロトコルであり、PCとはネットワークに対する要件が異なるため、分離して個別にQoS管理を行なう必要性に迫られたためだ。

米アルバネットワークス 最高技術責任者 キルティ・メルコート氏

 その後、PC以外のデバイスを収容するための「プリンタ用VLAN」や「ゲスト用VLAN」「無線LAN用VLAN」「契約社員用VLAN」「BYOD用VLAN」「検疫用VLAN」といった具合にさまざまなVLANが多重的にオフィスを覆い尽くしているのが現在の企業内ネットワークの一般的な姿となっている。

VLANの氾濫

 しかし、こうしたVLANは基本的にはデバイスの種類や用途ごとに用意され、デバイスの物理的な設置場所があまり移動しないことを前提として設計されている。現在ではスマートフォンやタブレットといった可搬デバイスが増加しつつあり、しかもこれらのデバイスはPCのようなWebアクセスやデータ通信もできれば電話としても機能するといった具合なので、従来型のVLAN設計では、どのVLANに接続すればいいのか決められない、という問題に直面する。

 しかも、こうしたデバイスはユーザーとともに社内のどこにでも移動していく。そこで、設置場所に基づいた制御ではなく、ユーザーの権限や移動先の場所ごとのポリシーに従って適切な管理が行なわれなくてはならない。たとえば、自席にいる場合にはオフィス内のサーバやプリンタにアクセス可能になり、他部署に移動した場合にはユーザーに権限があればそこにあるサーバやプリンタが使える、といった具合だ。言い換えれば、ネットワークの構造がユーザーの移動に伴ってダイナミックに変化していくような状況だ。

ユーザーのデバイスがネットワークを構成

 こうした状況を適切に管理するために同氏は、パーソナルLAN(Persona LAN)という考え方を提案している。これは、個々のユーザーが所有する複数のデバイスがそれぞれネットワークを構成し、さらにこれが社内のネットワークインフラのさまざまな接続ポイントを移動しながら接続されていくといったイメージになる。

ユーザーごとの“Personal LAN”を基本単位として考えていく

 こうした環境をサポートしていくためのアルバのアーキテクチャが「Aruba MOVE Architecture」だ。“MOVE”は“Mobile Virtual Enterprise”の頭文字から採られている。事前定義されたポリシーとリアルタイムに変化するコンテクストに基づき、ソフトウェア定義のコントロールプレーンが通信をダイナミックに制御していくというもので、現在注目を集めているSDNの無線LAN分野における先駆け的な存在となっている。

従来型アーキテクチャから次世代アーキテクチャへの変化Aruba MOVE Architectureの概要

 同社の“AppRF Technology”では、パケットに格納されたアプリケーション・ペイロードを識別して適切な制御を行なうことができる。ただ、ペイロードが暗号化されている場合には適切な識別が困難になることから、サーバソフトウェアと連携して別途情報を取得する取り組みも行なわれている。具体的には、マイクロソフトとのパートナーシップに基づいて同社のLyncサーバーとの連携機能が実装されている。Lyncクライアントとなったデバイスでは、音声コミュニケーションやテキストメッセージングなど、さまざまな通信が行なわれるが、これに固定的なQoSポリシーを適用する代わりに個々の通信内容に応じた最適なQoS割り当てが可能になるわけだ。

 スマートデバイスの急速な普及や企業におけるBYOD受け入れの動きが見られる中、企業内のネットワークインフラもそれに応じた形に進化せざるを得ない。特に、モバイルデバイスの急速の普及から企業内ネットワークインフラも無線LAN主体に変わっていくことが必然だろう。こうした動向を予見していち早くアーキテクチャの構築に取り組んだ同社の今後の展開にも期待がかかる。

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