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「dynabook R822」集中レビュー 第1回

東芝の変形型Ultrabookの使い勝手を探る

コンバーチブルの到達点が見える!「dynabook R822」

2013年04月19日 11時00分更新

文● 芹澤正芳

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 タッチパネル向けのUIを備えるWindows 8の登場で、ノートPC型、タブレット型の両方で使える“コンバーチブル 型”のマシンが増えている。その1つ東芝の「dynabook R822」は、どちらの使い勝手も優れる完成度の高さが大きな魅力。汎用性の高さを全3回でお伝えしていきたいと思う。

 ちなみに、本機のスペックやインターフェイス、ベンチマークによる性能測定については3月19日のレビュー『タブレット変形のUltrabook「dynabook R822」』に詳しいので、そちらも併せてチェックしてほしい。

dynabook R822

完全なタブレットでもノートPCでもしっかり使える

 「dynabook R822」は、解像度1366×768ドットの12.5型タッチパネル液晶を採用するUltrabook。その最大の特徴は、何といっても独特の変形機構だ。通常は完全なタブレット型となっており、液晶ディスプレイをスライドさせるとキーボードが現われる仕組みで、液晶を立てると完全なノートPC型となる。

「dynabook R822」は、通常は完全なタブレット型

液晶をスライドさせるとキーボードが現れる

 またユニークなのは、液晶と立てずにフラットな状態での使用も可能なこと。これは複数人での利用に便利なスタイル。操作する人をキーボード側、そして画面の向きをキーボードとは逆にすれば、相手に画面を見せながら説明といったプレゼンテーションがスムーズに行なえる。さらに、プレゼンテーションを受けている側も複数ページに渡る資料の場合、表示するページをタッチ操作で選択が手軽にできるなど、双方に大きなメリットがある。

 個人での利用という点では、タブレット型、ノートPC型のどちらでも使いやすい設計であるのが一番の強みといえる。コンバーチブル 型Ultrabookには、液晶ディスプレイを360度回転させるタイプもある。しかし、タブレット型のときはキーボードがむき出しの状態で底面に回るのに少し不安があり、基本のスタイルはノートPCと感じる。また、「dynabook R822」と同じく液晶をスライドさせてキーボードを出すモデルとしては、ソニーの「VAIO Duo 11」もあるが、こちらはタッチパッドがなく(ポインティングデバイスを採用)、キーボードを出したときの液晶の角度は固定と、どちらかというとタブレットでの使用に重きが置かれている。

 その点、「dynabook R822」は完全なタブレットでの利用はもちろん、ノートPCのスタイルでもキーボードはタッチパッドがあり、キーストロークは19mm、キー配列にクセもなく、「Enter」など使用頻度の高いキーは大きめと超時間の入力も快適にこなせると、さすが数多くのビジネスノートPCを手がけた東芝という作り。また、液晶ディスプレイもフラットな状態からほぼ垂直に立てた状態まで自由に角度を変えられると、机の上であったり、ヒザの上であったりと使う場所に合わせて見やすい位置に調整できる。

液晶の角度もかなりの範囲で調整が可能

クセのない配列で入力しやすいキーボード

キーにはライトも備わっているので暗い場所でも作業しやすい

 これによる大きなメリットは、「dynabook R822」だけで済むシーンが増えることだろう。筆者は普段自宅では、リビングで嫁や子供とテレビを見ながらでも手軽にできることから、ウェブやメール、SNS(Facebookやtwitter)のチェックはAndroidタブレット、しかしメールを送ったり、SNSに記事を投稿するときは入力のしやすさから、デスクトップPCの前までわざわざ移動している。デスクトップPCではなくても、PCに慣れた人間ならば、情報チェックはスマホやタブレット、入力はPCと棲み分けしている人は多いのではないだろうか。

 「dynabook R822」は、タッチパネルに最適化されたWindows 8のUIやストアのアプリの存在も相まって、ダラダラとした情報チェックも素早い入力作業の両方に対応できるというワケだ。贅沢をいうなら、1.49kgという重量と幅326.5×奥行き213.0mmというタブレットとしては少々重くて、大きいボディだろうか。そこは使いやすさとのトレードオフになるとはいえ、10型程度の液晶モデルの登場も期待したいところ。

タッチパネル&センサー活用で対戦ゲームも

 また、あまり注目されないが、加速度センサー、角速度センサー、地磁気センサーといったいわゆる傾き検知に関するセンサーを備えているのも実は便利。というのも、Windows 8では、ゲームを中心に傾き検知を利用したアプリも数多く配信されているからだ。Windows 8のアプリはまだまだ注目度は低いものの、タッチパネルを利用した対戦ゲームなどもあり、タブレットとしては大きい画面を使って、友達や子供と遊べるというのも大きな利点。大画面&タブレット&Windows 8という組み合わせのよさを、非常にわかりやすく体験できるのが「dynabook R822」の魅力といえる。

5点までのマルチタッチに対応

本体を傾けて球を転がしゴールを目指すアプリ「傾き迷路」

本格的かるたアプリ「小倉百人一首の世界」。タッチパネルを使って2人対戦も楽しめる

 さて次回はコンバーチブル型という特徴を活かして、「dynabook R822」のモバイル環境での使い勝手についてチェックしていきたいと思う。タブレット型では、狭い場所や小さなテーブルでも使いやすいのが強み。その分、画面が見られないようにするプライバシーの問題も発生する。どう使うのがベストなのか考えていきたい。

評価した「dynabook R822」の主なスペック
CPUIntel Core i7-3537U(2.0GHz)
チップセットモバイル インテル HM76 Express チップセット
メモリ8GB(増設/交換不可)
グラフィックスIntel HD Graphics4000
ストレージ256GB SSD
光学式ドライブ-
通信機能無線LAN(IEEE802.11b/g/n)、Bluetooth ver.4.0
インターフェイスUSB 3.0端子×2、HDMI端子×1
カードスロットブリッジメディアスロット
本体サイズ/重量幅326.5×奥行き213.0×高さ19.9mm/約1.49kg
OSWindows 8
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