今回はチップセット黒歴史を中断して、インテルのロードマップの解説をしよう。今月10、11日に北京において、IDF Beijing 2013が開催された。このテクニカルセッションで色々判明したことがあるので、こうした事柄のアップデートをお届けしたい。
Ivy Bridge世代のXeonは
年末までには出荷される
デスクトップ/モバイル向けは、すでにSandy Bridgeベースの製品を完全に置き換えてしまったIvy Bridgeだが、サーバー向け、特に2P以上のXeon 5/7シリーズは変わらずSandy Bridge-EPやSandy Bridge-EXが出荷を続けている状態である。
Ivy Bridge製品が待ち望まれているわけであるが、初日のDiane M. Bryant氏の基調講演の中でIvy Bridge-EXは2013年第4四半期に出荷開始されること、およびIvy Bridge-EPは同第3四半期に出荷されることが明らかにされた。
またHaswellベースのXeon E3は2013年中旬というぼやけた書き方になっており、おそらくは6月前後と捉えるのが正しい見方だろう。
Haswell世代のXeon
「Xeon E3-1275 v3」
基調講演ではこの程度の話しか出てこなかったのだが、テクニカルセッションではこのXeon E3に関してもう少し細かな数字が出てきた。まず型番そのものは、引き続きXeon E3-1200を継承するが、Haswell世代であることを示すv3が付く。
具体的には、少なくとも「Xeon E3-1275 v3」という製品があることを明確にしており、「Core i7-3770」と比較して10~40%程度CPU性能が高速なこと、またグラフィックに関しても「Xeon E3-1275」より10~40%高速なことが示された。
「Xeon E3-1275 v3」のGPUは、特にOpenCLを使ってのGPGPU的な用途では、6~8倍高速としている。

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