間違った方向の実装、不毛なやり方で連携
船田 この先どういう風にしていこうと思いますか?
鈴木 iPhoneとかiPadを使って、もっと遊べるようなもの。処理の高速化も考えていますが、あとはその時間が取れるかどうか。
―― 僕はDETUNEのソフトなので、これでMIDIがコントロールできたら面白いと思うんですけど。
佐野 あー、なるほどね。
鈴木 iOSでサポートしている入出力はひと通りサポートしようと思っているんです。あとポケコンでオーディオはないかなと思っているんですけど、ファイルを読める関数を実装する予定なので、WAVファイルを読んでもらって、1msくらいの短いスピードでボリュームをコントロールしていただいて、無理やり波形を鳴らすようなプログラムを作ってもらうとか、そういう間違った方向で実装していこうかなとは思っています。
―― 間違った方向!
船田 だったら僕はプリンターがほしいな。チーって出るようなプリンター。
佐野 実機いいですねー。このMakers時代に。
船田 ただ、iPhoneとプリンターをケーブルで繋ぐのは難しいかも。結局、現実的にはBluetoothということになって味気なくなりそうですけど、いっそヘッドフォンジャックから音声でデータ出力とか。セーブもテープにするとか。
佐野 テープにセーブは言いますよねえ。僕の知り合いも言ってました。
船田 別のiPhoneに音声でセーブでもいいけど。
鈴木 ふはははは!
―― いいですね、ピーガーで。
佐野 そういう風に他人と連携できるような機能は欲しいですね。
船田 不毛なやり方で連携したいですよね。
鈴木 例えば玩具メーカーさんと協力して、ラジコンが制御できるようなものができると面白いんですが、さすがに玩具を作るのは我々では敷居が高いので難しいですね。
佐野 いや、お話があったらすぐにでも!
―― ところで、このパネルの上のクリップって最初からありましたっけ?
佐野 いや、ないです。これも苦肉の策なんですけど、要はヘルプがないとレギュレーションに引っかかるということが「I am Synth」の時にあったので。
船田 僕はこのクリップでリセットスイッチを押すのかと思ってました。
鈴木 ああ、なるほどね! じゃあ伸ばしておいたほうがいいですか?
―― そういえばリセットの穴がないですねえ。
鈴木 分かりました、描いておきます。どのへんですかねえ、リセットは。
―― 裏じゃないですか?
鈴木 裏の絵も描くわけですね。なかなか大変ですね。
佐野 そして僕はバージョンアップのリリースに「DPC-100に待望の裏ができました!」って書くわけですね。
鈴木 絵の話で言えば、シフトキーの印字が見にくいんですけど、本当はキーに描こうと思ったんですよ。でも当時のポケコンでシフトの文字はアルミパネルに印字されていたので。
船田 それでアルミに直接印字したものって、使っているとはげてきちゃうんですよね。
鈴木 ああ、それ必要ですかね?
船田 必要かも知れません。それで愛着が湧いてくる。あと落とすと、このへんが凹むじゃないですか。
佐野 それで「シュウリシマスカ(y/n)」で課金! DETUNE社の最も苦手なマネタイズもこれでバッチリ!
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。
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