スタッフとの信頼関係もママ流で
現在、『KAJIN』で働くスタッフは10名。子どもを持つ人が何人も働いている。ママの大変さを知っている林さんは、遅刻も、早退も、在宅勤務もOKにするなど、かなり融通のきくワークスタイルを認めている。
「それができるのは、お互いの信頼関係があるから。スタッフはみんな各自の仕事には並々ならぬ思い入れがあるし、責任感も強い。そのことは私が一番よくわかっています。お客様が好き、KAJINが好きという気持ちにブレがないので、うまくいっていると思います」
もちろん、ここまでの関係を築き上げるのは時間がかかった。林さんは、何か問題があると、その都度、とことん話し合って解決してきた。
スタッフは家族同然だと思っている林さんが、スタッフをいつも心配していること、応援していることは、スタッフにも伝わっている。こうした絆を深めたからこそ、一度働くと長期で働き、自発的に行動できるスタッフが育つのである。
やりたいことは、たくさんある!
手探りでネットショップをオープンしてから12年。子どものフォーマルウェア専門店として、確固たるポジションを築いた『KAJIN』だが、林さんの勢いは止まらない。6月には、20代〜30代女性向けの自己啓発書を発行する予定だ。
そして、今、力を入れているのが海外展開だ。昨年末に、シンガポールにも販売拠点を立ちあげ、現地スタッフも1人雇った。いま徐々にシンガポールのみならず、イギリスなど海外から注文が舞い込む。今後はシンガポールを拠点に世界向けに販売していきたい。
『KAJIN』の躍進は、日本だけではなく海外までに広がっている。これからもいくつもの大輪の花を咲かせ、フォーマル子ども服業界を牽引していく存在になりそうだ。(完)