子ども服フォーマルウェア市場は“穴場”だった
子ども服は激戦市場と言われているが、『KAJIN』の場合、ベビー服でもない、普段着使いのカジュアルウェアでもない、「フォーマルウェア」というジャンルに特化したことが功を奏した。まさに、“穴場”の商材だったのだ。
「2003年は、子どものフォーマルウェア専門店の競合店は10店足らずしかありませんでした。10年たって、競合店も増え、市場も成熟してきたと感じます。ベビー服などのジャンルに比べれば競合店は少ないので、過度な競争にはなりません。10年間かけて、仕入れ先を40社近く、商品点数も1000点まで増やせました」
百貨店などのリアル店舗を見回しても、フォーマルウェアのお店は、ベビー服やカジュアルウェアのお店に比べれば、スペースは狭く、品揃えも少ない。いざ、フォーマルウェアが必要になったお客様のなかには、近所に販売しておらず、あわててネットで探して『KAJIN』にたどりつくケースは、今でもよくあるそうだ。
「『KAJIN』でやっとかわいい洋服に出会えた! と、喜んでくださるお客様は多いです。日用雑貨のように頻繁に購入するものではありませんが、一度気に入ってもらえれば、次は親戚の結婚式があるから、その次はピアノの発表会があるから……と、リピートしてくださることが多いです」
かわいらしいドレス、カッコいいスーツがずらりと並ぶ『KAJIN』は、子ども服のフォーマルウェア第一人者だ。『KAJIN』ブランドを強力に推し進めるためのさまざまな工夫について、次回で詳しくお伝えしよう。(続く)