iPhone 5の音楽を高音質で楽しむためのスピーカー＆ヘッドフォン！ 第3回

iPhone 5にベストなワイヤレススピーカー＆イヤホンを選べ！

ゆとりのある低音感とバランスのよさで聴き心地がいい
ボーズ「MIE2i mobile headset」

ユニークな形状のイヤーチップを採用するボーズ「MIE2i mobile headset」。シリコン製の柔らかい感触で軽快でありながらしっかりとした装着が可能だ

　爪のような形状の「StayHearチップ」（サポーター）が特徴的なボーズの「MIE2i mobile headset」（実売価格1万3000円前後）。耳の穴に収めてからちょっと回転するように動かすと、StayHearチップが耳にピタっとハマり、軽快で感触のいいホールド感が得られる。

　カナル型のように耳の奥まで押し込むタイプではないので、耳栓をしているような圧迫感が気になるという人におすすめだ。

　インイヤータイプながらも、ボーズ独自の「TriPortテクノロジー」を採用しており、豊かな低音とクリアなサウンドを実現している。

マイク付きのリモコンはとても小さい。音楽再生中でもヘッドホンが着信を知らせてくれる

　余裕のある低音再生と、安定感のあるバランスのよさはボーズならではのもので、「ダンケン・コンドズ」を聴くと、ベースを厚みのあるサウンドで鳴らし、ギターの音色も細かい変化まで丁寧に再現する。声の厚みもあり、ウォームな感触の聴き心地の良い音だ。

　「イーハトーブ交響曲」の雄大なステージ感や細かな楽器の鳴らし分けもよく、ジャンルを問わず、それぞれの曲の美味しいところをしっかりと味わえる。曲による相性などを感じさせないオールラウンドな性格で、まとまりの良さは感服する。

　「Tell Your World」のイントロのピアノもクリアでヌケがよく、声もきれいに浮かび上がる。まとまりがよすぎて尖ったところがなく、最初のうちはパンチが足りないようにも感じやすいが、長く使うほどにバランスのよさと音楽的な表現の上手さがわかるはず。長く愛用しても飽きのこないモデルと言える。

サブウーファー搭載の威力に震える!!
エネルギー感たっぷりのJVC「HA-FXZ100」

「HA-FXZ100」はストリームウーファーを内蔵したハウジングが特徴。半透明のボディーをよく見ると、丸いウーファーユニット部の周囲をぐるっと極細のダクトが巻かれているのが見える

　JVCケンウッドの「HA-FXZ100」（実売価格1万3000円前後）は、ダイナミック型でありながらも2ユニット＋サブウーファーを搭載した「ライブビートシステム」を搭載したモデルで、ハウジング部分の後方に円筒型のサブウーファーが見えるデザインもユニークだ。

　このサブウーファーは「ケルトン方式」と呼ばれるもので、極細のダクトを通じて音を放出することで物理的に100Hz以上の音を減衰させ、中低音の影響のない純粋な重低音再生を可能にするもの。このため、低音がたっぷりで中高音がコモって聞こえるようなこともなく、解像度の高いサウンドと重低音を両立できているのだ。

　「Tell Your World」を聴くと、ドラムの低音がたっぷりでビートの効いた音となる。ボンつくことのない歯切れのよい再現は、さすがはサブウーファー内蔵モデルだ。それでいて、ボーカルは輪郭がキリっと立ったシャープな印象で、細かな音までしっかりと表現する情報量の豊かな音だ。

　解像感の高いサウンドながらシャカシャカして耳障りになるような音は出さず、質の高い再現をするのも好印象だ。

　「イーハトーブ交響曲」では、個々の楽器の再現をきめ細かく鳴らし分け、色彩感の豊かなサウンドが楽しめた。音の粒立ちがいいのでステージの見晴らしがよく、オーケストラの指揮台に立って音を聴いているような音楽をぐっと近く感じられる臨場感がある。

　どちらかというと鳴りっぷりのよいパワー重視のサウンドだが、エネルギー感や音の反応がいいのでやんちゃになりすぎない。