中国セキュリティーベンダーが独自にWindows XPをサポート!
「Windows XPのセキュリティ更新プログラムの提供などのサポートを終了するなら代わりにやってやる!」と立ち上がったセキュリティベンダーが登場した。
そのベンダーの名は「奇虎(qihoo)360」。日本でもまれに炎上商法で知名度を上げるサイトなどはあるが、奇虎は検索の「百度(Baidu)」やチャットの「騰訊(Tencent)」などの億単位のユーザーを抱えるベンダーと真正面で喧嘩し、知名度を急激に上げていったベンダーである。最近では割と落ち着き、中国でLINEの展開を行なっている。
奇虎はマイクロブログ「微博(Weibo)」のオフィシャルアカウントで、「Microsoftのサポート終了後、360がセキュリティパッチを配布する」と発表するや、「支持する! 永遠に360を支持する!」というコメントが多数あがった。
中国ではセキュリティソフトのシェア争いも非常に激しいため、顧客獲得がためこうした方針を打ち出したのだが、日本に進出したキングソフト(中国名:金山軟件)なども含め、他のベンダーが追随するのか気になるところ。
Office 2010まではWindows XP(SP3以降)にインストール可能だったが、最新版のOffice 2013は非対応だ。今後さらに新しいバージョンのビジネスソフトが登場することでWindowsの買い換えを促せるかというと、WindowsやPhotoshopがそうであったように、必ずしもユーザーが最新版に追随するわけではないので難しい。
サポート終了にかかわらず
中国でWinodws XPは使い続けられる可能性が高い
中国でもスマートフォンとタブレットは浸透してきているが、では中国でもこうしたデバイスに移行し、Windows XP終了を契機にPCを捨てていくていくかというと、そうではないように思う。
今のところ中国でスマートフォンやタブレットはゲームやコンテンツプレーヤーや各種SNS用のデバイスとしてしか使われておらず、PCを使う必要性は日本以上に感じるところ。
そう考えると中国では、セキュリティベンダーがWindows XPを勝手にサポートし続けて、パッチのあたった海賊版Windows XPが継続してリリースされるのが最も可能性あるストーリーに思う。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)。
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