独特のウェルバランスとパワフルな低音が味わえる
ボーズ「SoundDock Series III digital music system」
そして、Lightningスピーカーの最後を飾るのが、ボーズ「SoundDock Series III digital music system」(定価2万6250円)。パネル的なスリムなデザインの中央にドックを搭載した典型的なドックスピーカースタイルの製品だ。
スリムな見た目とは裏腹に、たっぷりとした低音を再現するのがボーズの特徴で、本機も独自の音響設計と信号処理技術が盛り込まれ、伸びやかで聴き心地のよいサウンドを実現している。
拡張性としてはオーディオ入力端子としてステレオミニ入力があるだけ。バッテリーを内蔵しないACアダプター駆動専用なので、機能としてはシンプルだ。価格がほかの製品よりもやや高めということを考えると、バッテリー内蔵やBluetooth対応なども期待したいところだ。
「イーハトーブ交響曲」を聴くと、ホール内に朗々と響くチューバやコントラバスといった低音楽器の深い音色にホレボレとさせられる。
量感は多めで、ゆったりとした鳴り方ではあるが、このサイズでこれだけ深い低音が出るのはさすがボーズだ。ゆったりとした低音のためもあり、合唱団の声も穏やかな再現で上品な鳴り方になる。もうちょっと勢いのある音でもいいとも思うが、これはこれで落ち着きがあり、聴き心地はいい。
ドナルド・フェイゲンは、リラックスした楽しげなムードがよく出る。ベースの軽妙なリズムももたつかずに再現するし、胴の鳴りやボディー感がしっかりと出るので、なかなか充実感のある再生音になる。声は落ち着いたトーンだが、発音はクリアだし、強弱のニュアンスもきちんと再現される。
見逃せない美点としては、控えめの音量に下げても音が痩せず、低音がしっかりとしたバランスで楽しめること。使う場所やシチュエーションを問わず、いつでも気持ちいい音が楽しめるバランスのよさは魅力で、リビングや個室、寝室といろいろな場所で使えるだろう。
iPhone 5や最新世代のiPodで音質にこだわるなら
Lightningスピーカーは見逃せない
iPhone 5を使ったリスニングには、さまざまなスタイルがあり、Bluetoothによるワイヤレスの手軽な音楽鑑賞を簡単には否定できない。
しかし、こと音質にこだわるなら、やはり直接デジタルで接続できるLightningは大きなアドバンテージがあることがわかった。
ハイレゾ再生や高音質再生はPCでやるとか、iPhone 5はヘッドフォンで高音質再生ができれば十分と考える人も多いだろうが、iPhone 5をメインのプレーヤーとして、家の中でも外出先でも音楽プレーヤーとして活用している人ならば、Lightning対応のドックスピーカーは頼もしい味方になるはずだ。
さて、音楽再生にはもう1つ重要なものがある。それは音楽再生アプリだ。そこで、次回は標準のプレーヤーソフト以外に数多く登場している高音質をうたったアプリを筆者が試してその実力をレポート。果たして、アプリの変更でiPhone 5をよりよい音で楽しむことはできるのか? お楽しみに。
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