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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第119回

DETUNEのポケコンアプリ「DPC-100」はこうしてできた

iPhoneでポケコン? 脳内から生まれたアプリが一部で話題に

2013年04月13日 12時00分更新

文● 四本淑三

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鈴木さんの脳内にあるポケコンを再現?

船田 鈴木さんは今おいくつですか?

鈴木 38になりました。

船田 ということはポケコン世代的には、どの辺なんですか?

鈴木 中3の時に初めて授業で触りました。週に1回くらいの選択授業で。プログラム自体は子供の頃からファミリーベーシック※2をやっていたんですが、その頃は雑誌に載っているプログラムをただ写すだけでした。

船田 初めて触ったポケコンは何だったんですか?

鈴木 シャープのPC-1246DBです。意外とその辺の世代のポケコンには詳しくないんです。DPC-100も、具体的なポケコンは意識していません。このグラフィックは自分で描いたんですけど、自分の技量で描けるデザインということで。

鈴木さんは企画、デザイン、プログラミング(つまり全て)を担当したという

船田 じゃあ脳内ポケコン?

鈴木 そうです。ただきっと何かしらのポケコンには似ているだろうと思います。

船田 僕は今46ですけど、高校生の頃に触ったんです。父がポケコン好きだったんですね。なんでかと言えば、ポケコンに株の相場のデータが全部入っていて、いつも持って歩いてる。で、こういう解析をしたいので、お前プログラムを作れと。それでポケコンを何個かザラッと渡されて、開発用に持っていたんですね。

鈴木 すごいですね。

船田 それで、これを触ったら当時の感覚が蘇ってきて、自然に指がタタタタッと動くんですよ。

佐野 はははは! 二十数年前に刻まれたシナプスが!

船田 カナもね、今はローマ字かなじゃないですか。でもこれはポケコン配列で。こんなの打てねえよ、と思ったんですけど、打てるんですよ。僕はまだiPadでしか触ってないんだけど、ちょっと大きくなって、老眼になっても使えるポケコンみたいな。

「iPadの方が見やすいですね」と船田さん

佐野 そういう意味で、いま一番ホットなのはiPad miniらしいですよ。大きさも感じも打ちやすさもちょうどいい感じで。やっぱiPadはちょっと大きいですが、miniはバランスが取れてる。

船田 鈴木さんはポケコンで何を作ったんですか?

鈴木 3桁の数字が4つ並んでいて、それぞれ0から100までランダムな速さでカウントして、どれが一番になるかをかけるゲーム。はたから見ていて、何やっていたのか全然分からなかったと思いますけど。

船田 でもポケコンのいいところは画面に出るのが文字だけ。そこを割り切れるのがいいですよね。パソコンだと絵に力を使っちゃって。

鈴木 絵を描けない人はそこで挫折してしまうんですよね。それと真面目にプログラムに取り組んだ最初の機種がポケコンがでしたから、これが原点かなというのはあります。

船田 するとポケコンの次は?

鈴木 X68000です。ポケコンでプログラミングがすごく楽しくなって、高校に入る時に、親がパソコンを買ってあげるというので。

船田 一応シャープつながりですが。

鈴木 それは全然意識してなかったです。実はポケコンがシャープであったこともすっかり忘れていて、これを作る時に調べたくらいなんです。

船田 じゃあ、これは完全に脳内ポケコンなんだ。

鈴木 そうです。

※2 任天堂ファミリーコンピューター用のBASIC言語環境。ロムカセットとキーボードの組み合わせで提供された。

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