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新社会人&学生諸君! 移動時間は電子書籍を読もう! 第3回

大型タブレットは電子書籍端末になれるのか!?

2013年04月05日 12時00分更新

文● 林 佑樹@necamax

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大きさを許容できるかで
快適度が変化する8型以上

 最後は8型以上のタブレットを紹介する。最近発売されたばかりの「Kindle Fire HD 8.9」と「iPad」(第3世代)を用意した。Androidには10.1型の端末もあるが、iPadの9.7型とほぼ同じなので、サイズ感はiPadを参考にしてもらいたい。

 電子書籍をタブレットで楽しむときに重要なのは、その大きさを許容できるかどうかだ。iPad初登場時は「小さい」だったが、いまでは5型や7型の存在もあり「大きい」に感覚が変化している人も多い。例えば、B5用紙を持ってみて、それがやたらと大きく感じたのであれば、7型以下をターゲットに変えよう。逆にちょうどいいと感じたなら、8型以上でも大丈夫だ。B5用紙の大きさはほぼiPadと同じなのだ。

左がiPad(第3世代)、右がKindle Fire HD 8.9。9.7型と8.9型。数値だとそれほど違いはないように見えるが、こうして並べてみるとけっこう違う

大型タブレットのいいところはやはり画面の広さ。電子書籍アプリの棚にズラズラと購入した本を並べられるのは気分がいい

 8型以上のタブレットは持ち歩くというより、室内をメインで使う人が多い。画面が大きく、かつ解像度も高く、手に持つのではなく、横になって膝上に載せた場合でも十分に内容がわかるというほかの端末にはないメリットがある。もちろん、7型タブレットでも同様の使い方は可能だが、8型に比べるとディスプレーが微妙に小さいせいか、結局端末に顔を近づけて読むことが多かった。

 8型以上の大型タブレットは電子書籍専用というより、電子書籍も含めた総合エンターテイメント機という存在だ。

タブレットと言えばコレ!
iPad

 タブレットの代名詞的存在であり、極論をいえば説明不要な端末だ。Retinaディスプレーは第3世代から搭載されており、現行製品である第4世代も同様に2048×1536ドット、264ppiのディスプレーを搭載している。このディスプレーは高精細なだけでなく、発色もよく、電子書籍を楽しむのに適している。とくにカラーイラストや絵本との相性がいい。

 ストレージ容量は、2013年に入ってから128GBが追加された。iPadの解像度に対応する電子書籍は1冊あたりのファイルサイズが大きくなりがち。テキスト中心の文芸書やライトノベルなら問題ないが、コミックや写真集、雑誌となると64GBでも心許ない。いつでもダウンロードできるのが魅力ではあるが、お気に入りの作品を常にiPadの中に入れておきたい場合は、iPad(第4世代)の128GBモデル一択といってもいいだろう。

 価格はアップルストアの場合、Wi-Fi版が16/32/64/128GBのそれぞれ4万2800円/5万800円/5万8800円/6万6800円、Wi-Fi+Cellular版が16/32/64/128GBのそれぞれ5万3800円/6万1800円/6万9800円/7万7800円だ。

片手で持てるには持てるが、タブレットとしては重たい部類に入るので、重さにどう対処するかが重要だ

スペックと価格のバランスが良い
Kindle Fire HD 8.9

 先月リリースされたばかりの、一番フレッシュな端末がこの「Kindle Fire HD 8.9」だ。ストレージ容量は16GBと32GBのモデルがあり、16GBが2万4800円、32GBは2万9800円。これは似たサイズのタブレットが4万円前後だということを考えると、とてもリーズナブルだ。ディスプレーは、8.9型(1920×1200ドット)ピクセル密度は254ppiという、微妙にもどかしいサイズだが、実際手にしてみるとiPad miniで小さいと感じた人にはちょうどいい大きさだ。

 実寸では、縦幅はiPad(第4世代)と違いはなく、横幅が異なるくらい。持ち運びは思った以上にしやすく、ノートPCでいう14型のような立ち位置になるだろう。iPadよりも約100g軽く、この大きさにしては長く持ってられるため、見開きで閲覧した場合はとくに本を読んでいる感じになる。

 OSはAndroidベースでAmazon独自のもの。もちろん、Kindle専用端末なので、Kindleストアのみになる(アプリも追加でダウンロードできるが)。そのため、割り切った運用ができるかどうかが好みを分ける。もちろん、Amazon中心のライフスタイルならコレがベストだ。

iPadよりも軽くなっているが、それでも重量はあるほうだ。ベゼルの幅があるため、片手持ちも可能なほうだが、やはり土台になる場所を探して使用したほうがいい

【まとめ】電子書籍はどれで読むのがベストなのか?
まずは1冊買ってみよう!

 3回に渡って、電子書籍の現状をハード、ストアを含めてチェックしてきた。電子書籍も現物と同じように、表紙を眺めて本を手に取り、開けば見られる……、というのが便利でいい。

 サクっと読み始められる端末を前提にレビューしたわけだが、コミックを読むなら「Kindle Fire HD 8.9」のような大型タブレット、小説を読むなら「Sony Reader」のような専用機がベストか。

 まずはそれぞれの端末が公式に対応しているストアから始め、その後、もっと快適に読みたい、別の作品を読みたいと思ったら、今回紹介した端末のほかのモデル、もしくはこれから登場する端末に手を出してみよう。

 逆にストアから選ぶ場合は、人それぞれになってしまうがひとつのストアに集約してもいいし、ジャンルに特化したストアを数ヵ所登録しておくのもいいだろう。このあたりは、リアル店舗での本探しに近いともいえる。

 電子書籍関連については、本記事作成終了から掲載までの間にも動きがあり、新陳代謝は高い状態にある。PCに慣れているユーザーの場合だと、ファイル形式やスペックばかりを見てしまいがちだが、それらよりもストアの検索性や操作性、取り扱いジャンルや品揃えで選ぶほうがいい。ともあれ、ほとんどのストアに無料体験本が用意されているので、まずはそこで読み比べるところから始めよう!

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