マウスコンピューター 小松社長×週刊アスキー編集長 宮野 スペシャル対談

ボクらのPC15年史

文●みきーる 撮影●岡田清孝

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マーケットを牽引する最速搭載のこだわり

宮野 ふむ。そして、マウスさんの製品でとくに印象に残っているのは、やはりキューブ。自作で大流行した時期に、しっかりBTOで用意されてましたよね。

小松 ありがとうございます。私の頭の中でも、ある時代ではマウスコンピューター=キューブというイメージがあります。やはり、標準的なラインアップにキューブ型を取り入れ、さらにBTOでそろえて……という試みをしたところは、ほかにはあまりなかったんじゃないかなと思います。

宮野 デザインもしゃれているので、キューブにはぜひ復活してほしいです(笑)。ところで、ノートパソコンの取り扱い点数を増やされたのは、いつぐらいからでしょう。比率がグッと変わった時期がありましたよね?

小松 '06年・'07年くらいから拡大し始めたと思います。

宮野 それはユーザーさんからの受注が増えたのか、それとも調達のほうのコストが下がって、安く出せるようになったのか、どちらが先ですか?

小松 ちょうど相互がかみ合って、世の中の流れがデスクトップからノートパソコンに移行する波に乗ったんだと思います。

宮野 先ほども話に出ましたが、NVIDIAやインテルさんなどの発表とタイムラグなく商品を出されるというのは、ナショナルメーカーさんと違う取り組みですよね。

小松 BTOメーカーがマーケットを牽引することによって、いろんなメーカーさんがそこに合わせて、積極的に商品を出していこうというかたちができましたね。やはりマーケット主体に動いてきたのかなと思います。

宮野 そして'12年は、ウィンドウズ8が出ましたが。

小松 ウィンドウズ8において私がいちばん大きなポイントととらえているのは、“自然に使えること”だと思うんです。ウィンドウズの進化は、“自然に使える”というのがキーワードじゃないかと思っていますので。

宮野 ふむ。

小松 そのひとつの方向性として、タッチもあるのだと思います。そして、ウィンドウズ8が非常に優れている点は、起動を含めた軽快な動きと、これは見えない部分ですが、セキュリティーが強化されている点も評価できると思います。ウィンドウズ8をにらんだビジネス自体は想定していたものなので、長所を生かしたよりよい製品を提案したいと思っています。

宮野 OSしだいで、使い勝手がガラリと変わりますからね。

小松 パソコンは基本的に道具だと思っていますから、OSにしても本体にしても、手になじんだもの、使いなれたものって非常に価値があると思うんです。もちろん、新しいものには新しいもののよさがありますが。

注目のプロダクトはコレ!

NEXTGEAR-ONE io600SA3 icon
直販価格 16万9890円

CPU Core i7-3630QM(2.4GHz)
メモリー 8GB
HDD/SSD 1TB 7200rpm/Samsung SSD 120GB 840シリーズ
OS Windows8 PRO
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX670MX/3GB
液晶ディスプレー27インチ(10点対応マルチタッチパネル、1920×1080ドット、LEDバックライト)
通信 IEEE 802.11 b/g/n・BluetoothR V4.0 + LE 準拠モジュール


LuvPad WN1100 icon
直販価格 5万9850円

CPU AMD Z-60 APU
メモリー 2GB
SSD 128GB
液晶ディスプレー 11.6インチ(1920x1020ドット)
OS Windows8
グラフィックス AMD Radeon HD 6250
重量 810g
バッテリー駆動時間 約6時間

ウルトラモバイルはもちろん
パワーモバイルもおすすめ!

宮野 いまの時期で、注目の製品というと?

小松 そうですね、ウルトラブック含めたモバイルとか、旬ならGeForceグラフィック搭載モデルですとか……。ウルトラブックの薄さとかバッテリーのもちとか、そこではない、スタンダードボルテージのCPUを載せた、パワーモバイルは、とくにおすすめですね。

宮野 マウスさんらしいですね。

小松 みんながウルトラブックって言ってるなか、うちは違う路線でも攻めるぞ、と。

宮野 僕はG‐Tuneの11インチが気になります。

小松 アスキーさんには、相当推していただいていますね(笑)。

宮野 『A列車で行こう』が好きなので頼りにしてます(笑)。

小松 そうでしたか(笑)。

宮野 逆に、小松さんがいままで携われてきたなかで、あえていちばんお気に入りのマシンを挙げていただくと……?

小松 また戻ってしまいますが、やっぱりキューブですね。自分にとって、それだけ印象深いマシンなんです。お客さまにも、「こんなおもしろいパソコンを出すメーカーがあるんだ!」ってところを示せたと思いますし。とてもエポックメイキングな商品だと思うです。

宮野 キューブはCPUクーラーにもひと工夫あって、中も非常にこだわった仕様でしたね。

小松 はい。キューブパソコンのヒートシンクにヒートパイプを採用していました。

宮野 なつかしい(笑)。本当に、いわゆるホームシアターPCみたいなものが1台でできるようになってきたのは、このあたりですからね。では、最後に今後の展望などをお願いします。

小松 なにか新しいものをつくるときは、かならずパソコンが必要になるので、パソコン自体は形を変えて存在し続けると思います。昔だったら、ゲームをやるならタワー型でしたけど、いまはノートでもできて、さらにタブレットでもできるという流れになりましたよね。これからは、モバイル系とタブレットの融合などが見られると思います。そのときどきで、専門的に使いたいかた、カジュアルに使いたいかた、それぞれのニーズを押さえた商品を世の中にお出ししていくのが、私たちの道なのかなと思います。