ソーシャルを使いこなせない採用担当
一方で、「双方向」を勘違いして学生とやたらつながりたがる担当者もいる。
よくベンチャー企業に散見されるのだが、彼らはその学生を落としたあとのことを考えているのだろうか。学生もアピールしようと必死に書き込みをしていて、「この輪に入りたくない……」と思わせるような空気になっている。
企業のソーシャル採用活動が学生に届いていない証拠は、フェイスブック採用ページの「いいね!」ランキングだ。
2014年度新卒採用にフェイスブックを利用した企業について調査した、ユーザーローカルの「ソーシャル就職人気ランキング」によると、以下のような結果だった。
1位:明治安田生命 (7,953人)
2位:三菱UFJフィナンシャル・グループ (5,696人)
3位:三井住友信託銀行 (4,364人)
4位:P&G Japan (2,927人)
5位:ニトリ (2,921人)
6位:キリンビール (2,805人)
7位:リクルートマーケティングパートナーズ (2,631人)
8位:ソフトバンク (2,570人)
9位:リクルートライフスタイル (2,547人)
10位:三井住友海上 (2,486人)
(ユーザーローカル調べ「ソーシャル就職人気企業ランキング」、データは2012年12月2日時点のもの)
一目瞭然だが、ランキング上位は誰もが知っているような大企業が占めている。知名度の高い会社に学生の人気が集まる構造は、まったく変わっていない。
一部の企業が熱心に取り組むので話題にはなるが、実態は残念な企業のソーシャル採用。結局、手間ばかりかかって新しい価値を生み出していないのでは、と思ってしまうのは私だけだろうか?
この連載の記事
-
最終回
デジタル
ソー活と就活の終わらない日常 -
第2回
デジタル
「ソー活生は優秀」は本当か? -
第1回
デジタル
「世界一即戦力な男」の巧妙な戦略 - この連載の一覧へ