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マイクロソフト・トゥディ 第38回

異例続き? Surface RTイベントに賭けたマイクロソフトの熱い想い

2013年03月28日 11時00分更新

文● 大河原克行

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 Surfaceの発売を記念した報道関係者向けのレセプションが、代官山という場所で行なわれたのも異例だった。

 これまで日本マイクロソフトが、代官山で記者会見を行なった例はあまりない。

 振り返れば、ちょうど1年前の2012年3月8日に、アップルは、第3世代iPadを発表した。その発表場所が、代官山の代官山ヒルサイドフォーラムだった。これは、今回、日本マイクロソフトがレセプションを行なった会場の隣の建物である。

 イベントの趣旨や立地条件を考えると、1年前のアップルを意識したものと受け取れなくもないが、日本マイクロソフト側は明確に否定する。

 実は、この場所が選ばれたのは、Office 365の最新導入ユーザーでもあり、TSUTAYAや代官山T-SITEを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの増田宗昭社長と、日本マイクロソフトの樋口泰行社長が、従来から深い交流があったのが発端だ。「何かのときにコラボレーションできたらいい」というお互いの会話から、この会場を活用するきっかけが生まれたという。

 その点で、報道関係者向けの発売記念レセプションという肩肘張らないイベントの開催には最適な場所だったといえるかもしれない。

 樋口社長は、「Surface RTはクールなイメージでプロモーションをしたい」と語っていたが、そうしたイメージを演出するという点でも、代官山T-SITEでの会見は成功だったといえよう。

会場の様子。ソファに座って、いつもの記者会見とは違う雰囲気だった

本社のSurface担当者が初めて来日

 会見では、米国本社からSurface担当のブライアン・ホール ジェネラルマネージャーが来日。本社のSurface担当者は初めての来日だったことも、このレセプションでは大きな意味があった。

米マイクロソフト Surface担当のブライアン・ホール ジェネラルマネージャー。Surface RTを手にして、驚きのプレゼンテーションをみせた

 ホール ジェネラルマネージャーは、スティーブ・バルマーCEOの初代コミュニケーション担当者で、かつてはバルマーCEOが世界各国で行なうプレゼンテーション内容を考えていた人物だ。デモストレーションや説明のうまさでは、マイクロソフトの中でも高い評価がある。実際、Surface RTを手にしながらの説明は、家族がiPadを使用していることに触れながら、それを逆手にとってSurface RTの特徴や評価を紹介するなど、驚きを与えながらのものとなった。

 そして、この日の通訳者は、ビル・ゲイツ会長やバルマーCEOの来日時に通訳を務める船坂裕氏と、早崎鐘基氏のコンビ。米大統領演説の通訳などでも実績があるこの2人を起用する点でも、日本マイクロソフトがこのレセプションに力を入れていたことが伺いしれよう。

 ただ、残念だったのは、この場所を選定する発端となった樋口社長自身が、発売記念レセプションに参加できなかったことだ。

 実は、会見通知には樋口社長の出席が予定されていた。だが、前日になって、登壇者の変更通知が送られ、コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明執行役常務が登壇することになったのだ。

レセプションに登壇したコンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明執行役常務。Surface RTのカラーを彷彿とさせるジャケットを着用?

 樋口社長の不参加となったのは、米国本社で行なわれていた会議が長引き、帰国が遅れたことによる。

 だが、PCメーカーとの窓口となっている香山執行役常務がSurface RTのイベントにメイン登壇者となることは、緊急事態とはいえその反響が気になってしまう。さすがに、気のまわしすぎだろうか。

Surface RTの売れ行きは「予想以上の出足」

 ところで、Surface RTの売れ行きはどうなのか。

 樋口社長は「手応えを感じており、予想以上の出足」と語る。

 樋口社長は、すでにSurface RTおよび米国で発売されているSurface Proを自ら使用しており、古巣であるパナソニックのLet’snoteとともに、メインマシンのひとつとしている」という。

 しばらくの間は、自らSurfaceを持って、訴求を行なう考えのようである。Surfaceを持ち歩く樋口社長の姿が、見かけられるようになりそうだ。


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