日本最大のビジネスエリア
ネットワークの集積地
こうした同社のビジネス動向を受け、東京の大手町に開設されるのがTY4になる。通常データセンターの設置場所は明かされないことが多いが、TY4では2012年10月に竣工した大手町フィナンシャルシティに開設することを発表している。
TY4について説明したエクイニクス・ジャパンの武堂貴宏氏は、大手町が日本の経済・金融の中心地であり、約4000社のオフィス、東証上場企業の約1割が集積されている日本最大のビジネスエリアであることをアピール。また、国内の主要IXが集中し、150以上の通信事業者、コンテンツ事業者が相互接続するIT面での地の利も大きいと説明した。しかも、13駅20路線が乗り入れているため、交通障害にも強い。都内の会社であれば、いざとなれば歩いてデータセンターに行けるというメリットも持つという。
武堂氏は、TY4を大手町に開設する理由を「日本で一番ネットワークが集まり、ビジネスのエコシステムができているのが、大手町。ここにネットワークのハブを置く」と語る。さらに既存のIBXデータセンター、ネットワークノード(外部アクセスポイント)と相互接続されており、バーチャルキャンパスを構築できると拡張性も高いという。
地震や浸水のリスクにも強い地の利を活かす
続いて、エクイニクス・ジャパン プロジェクトマネージャーの片柳哲氏が、TY4のデザインについて説明した。
TY4は大手町フィナンシャルシティ ノースタワーの地下1階/地下3階に設置される。ラック数は同社では中規模クラスとなる750ラック相当で、総床面積は約6500㎡。受電設備はビルより特高66kVで受電しており、UPS給電、通信の引き込みなどもすべて冗長化されている。MMR(Meet Me Room)と呼ぶ、キャリアとの接続ポイントも二重に用意されているほか、地下3階フロアの階高が9mとかなり高いのが特徴的だという。
また、地下1階、1階は飲食街になっており、食事環境が貧弱なことが多い郊外型データセンターと大きく異なっている。サンケイビルの隣で、東京メトロ丸の内線から直結されているので、足も良い。ビジネスビルということで心配なセキュリティに関しても配慮されており、カードリーダー、静脈認証、監視カメラなどが導入されているという。
片柳氏からは、災害対策についても説明された。まず地震に関してだが、大手町は活断層から外れ、リスク評価も低い。また、建物倒壊や火災危険度の低いエリアに指定されているほか、そもそも地表に比べて揺れの小さくなる地下階にあるという。加えて、ビル自体の地盤や構造に関しても配慮され、高い耐震性能を誇っている。
また、津波、高潮、洪水などによる浸水リスクに関しては、まずハザードマップで冠水の恐れのない地域に指定されているほか、集中豪雨によるリスクも少ない。海抜4mで液状化もほとんど発生しないことがわかっているという。とはいえ、200年に1回の大雨で0.5m未満の浸水リスクがあるため、地下にあるTY4では外部と接する部分に防潮板を設置。その他、二重壁の導入、床防水、二重スラブなどを採用し、漏水のリスクも抑えて万全の対策を施しているという。
TY4のサービス開始予定は2013年8月で、見学イベントなども実施される予定となっている。
