レノボがゲーミングPC市場への参入を表明した。これまでもゲーム用ノートPC、ゲーム用スペックを備えたデスクトップPCを販売していた同社だが、国内へ本格参入するにあたって「ERAZER」というゲーミングPCブランドをシリーズに追加したかたち。シリーズ第1弾として15日に発売されたのが「ERAZER X700」だ。
ビジネスノートのカテゴリで絶大な人気を誇り、近年ではコンシューマー向けの製品にも力を入れているレノボ。同社のデスクトップPCシリーズはこれまで「ThinkCentre」「IdeaCentre」「Essential」の3種類だったが、今後は上位にERAZERが加わった4種類になる。ERAZERという名前は、元々レノボが買収した独Medionのブランド。ヨーロッパでは広く認知されている名だという。
強烈ながらどこか落ち着いた不思議な外観
外観から見ていこう。まず、箱がとてつもなく巨大で大迫力。人でも入っているのではないかと思うほど大きいのだ。
そして本体も大きい! 中世の甲ちゅうをモチーフにしたというデザインは強烈なインパクトを放つ。
しかし不思議にも、ある程度どのような部屋にも溶け込みそうだとも感じる。電源オフでは黒と銀のみというシンプルなカラーリングとなめらかなフォルムのおかげだろうか。編集部からは「このPC中心の部屋作りをしたい」という声も出ていた。
逆三角形の「engine start」ボタン(電源ボタン)を押して起動すると、濃いブルーのLEDが本体前面の下部と中部に浮かび上がる仕様だ。筐体の一部は内部からの光が透けるように、一見すると不透明のトランスルーセントになっているのだ。芸が細かいと思う。
実際、電源を入れてみるまではLEDが仕込まれているなどとは思いもしなかった。(箱をよく見ていれば分かるのだが)電源ボタン、内部ファンにも同じ色のLEDが仕込まれており、非常に統一感のある印象。
右側面に備えられた5角形の金属パネルはデザインアクセントになっているとともに、パンチ加工によって通気性を高め、冷却性能の確保にも一役買っている。さり気なく刻印された「ERAZER」のロゴが粋だ。
他にも細かな配慮が見受けられる。一つの大きな特徴は、分解や増設作業のほとんどがツールレスでできる点。例えば、HDDの取り付けはフロントベイを引き抜き、トレーにHDDを装着し、再度差し込むだけだし、SSDの増設も4ヶ所ネジ留めするだけで済む。フロントベイの内2スロットはホットスワップにも対応。システムを落とさずにハードウェアの搭載・換装が可能だ。
ケースの蓋も手で回せるネジで固定されているため、道具を一切使わずに開けられる。PCの分解や増設に慣れていない筆者でもスムースに内部ハードウェアへアクセスできた。スペックの見直しを図ることが多いユーザーは大きな恩恵を受けられるはずだ。お勧めはしないが「ときどき何となく開けてがちゃがちゃやりたい」というニーズにも対応。