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最新パーツ性能チェック 第136回

「Radeon HD 7790」はミドルレンジGPUを再定義できるか?

2013年03月22日 22時00分更新

文● 加藤 勝明

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検証環境は?

 今回の検証にあたって準備したハードは以下の通りだ。HD7790のドライバーは専用のベータ版を使用している。機材調達の関係上、HD7790がオーバークロック仕様なのに対し、他が全部リファレンス仕様になってしまった点はご容赦いただきたい。

テスト環境
CPU Intel「Core i5-3570K」(3.4GHz)
マザーボード ASUSTeK「P8Z77V PRO」(Intel Z77 Express)
メモリー CENTURY MICRO「CAK4GX2-D3U1600/ELP」(DDR3-1600 4GB×2)
ビデオカード Radeon HD 7850(AMDリファレンスカード)
Radeon HD 7770(AMDリファレンスカード)
GeForce GTX660(ELSA「GeForce GTX660 S.A.C」)
GeForce GTX650Ti(ELSA「GeForce GTX650Ti S.A.C」)
SSD Intel「SSDSC2CT240A4K5」(240GB)
電源ユニット Seasonic SS-760KM(850W、80PLUS GOLD)
OS Windows 8 Professional(64ビット)
グラフィックドライバー Catalyst 13.3 beta3
GeForce 314.12(Beta)

予測を良い方に裏切った「3DMark」

 まずは「3DMark」の結果をみてみよう。テストは「Fire Strike」を使用している。HD7770とHD7850の間のどこに着地するかが見どころだ。

3DMark11 Fire Strike (単位:score) better→

 「なるほど、スペック通りだね」としか言いようのない結果だが、HD7770とHD7850の中間ではなく、ややHD7850寄りの性能になっている点に注目。テストに使ったカードがオーバークロック仕様という理由もあるが、HD7850の1割ちょっと下の性能というのはかなり魅力だ。決定的な価格のメリットがない限り、これでもうHD7770を選ぶ理由は消滅した、といえる。

実ゲームでは実用になる性能を発揮

 それでは実ゲームでのパフォーマンスをチェックしよう。1本目は、もはや重量級ではなく中量級ゲームになりつつある「バトルフィールド3」を使用した。解像度は1920×1080ドット、画質はプリセットの「最高」に設定し、4面開始時のシークエンスを「Fraps」で測定している。

Battlefield 3 最高画質/1920×1080ドット(単位:fps) better→

 HD7770では最低fpsが23fpsにまで下がってしまい、とても滑らかとは言えないのに対し、HD7790はなんとか最低30fpsは維持できている。ライバルに目を転じれば、GTX660にはさすがに及ばないものの、GTX650Tiの頭を完全に抑え込むことに成功している。HD7790は、従来のミドルレンジと低価格ミドルレンジの間にぽっかりと開いた「フルHDゲーミングの壁」を埋めるための製品といえる。

 もう1点は最新ゲーム「シムシティ」を使って検証してみた。こちらも解像度は1920×1080ドット、画質はすべて最も重くなるよう設定し(フィルターは“ナチュラル”)、入門ガイドの都市の上でカメラを移動させた時のフレームレートを「Fraps」で計測している。

CIM CITY 最高画質/1920×1080ドット(単位:fps) better→

 最高画質にするとかなり重くなるゲームゆえ、HD7790でも最低fpsは20を下回ってしまったが、結果の上下関係はこれまでのテストと同傾向。ただしメモリー1GB、メモリーバスも128bitという足かせのせいか、HD7850よりも性能が激しく落ち込んでいる。とはいえ、GTX650TiやHD7770ではかなりキツい高画質設定でも、これだけ動けるのは評価すべきだろう。ただし、ゲーム序盤での負荷なので、街が成長した終盤だと辛いかもしれない。

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