ソフトバンクモバイルは今日21日、iPhone 5や第4世代iPadなどで使える「ダブルLTE」のサービスを開始し、孫 正義社長みずからが同社の現在の通信設備事情などを語った。
「ソフトバンクはつながりにくい」。数多くのユーザーからそう指摘されていたことを認め、2010年から電波改善宣言をして基地局の増設に力を入れたと孫社長。今年の3月末までに1万6000の基地局を開設することを目標としていたが、前倒しで2万局も開設できたとのこと。短期間に建設した数としてはギネスブックに載ってもおかしくないと、自信を見せた。
昨年のプラチナバンドのスタート以来、音声の接続率は98.4%で3キャリア中1位、パケット接続率も96.6%で1位になったと主張する。ここ5年間でデータ利用料が60倍(東名阪は100倍)近くになっていることを受け、このトラフィックをどう解消するのかがスマホ時代の課題だとし、高速通信を安定して提供するためにウィルコムが採用しているマイクロセル方式を同社も採用し、トラフィックの分散を図っているという。ウィルコムの基地局に併せて同社のアンテナも立てているため、孫社長は「ウィルコム買収が一番プラスに働いた」と振り返った。
そして21日から開始されたダブルLTE。これは、最近グループ会社となったイー・アクセスのLTE網(1.7GHz帯)と、従来のソフトバンクのLTE網(2.1GHz帯)を使い、スマホが自動的に混雑していないほうの回線を使うというもの。対応機種はiPhone 5、iPad mini、第4世代iPadの3モデル。端末側のアップデートは必要なく、バッテリーへの負担も少ないという。これによりトラフィックが分散し、より安定して高速通信を利用できるようになる。
なお、スタート時には都市部のみだが、順次対象地域を拡大していくとのこと。現在最も速度が出るのは池袋だそうだ。今年の夏以降はイー・アクセスから発売されるEMOBILE LTE対応のスマホが、ソフトバンクの3Gエリアでも使えるようにする予定もある。
現在はiOS端末はダブルLTE、Android端末はAXGPという方針のようだが、今後、Android端末に1.7GHz帯に対応するモデルが発売されればダブルLTEへの投入も計画されるようだ。
