Passbookはユーザーに主張してくるチケット
さて、続いては、本連載の初回でご紹介していたPassbookです(関連記事)。従来は近所のスターバックスで使う程度でしたが、米国でのWBCのチケットがPassbook対応していたので、実際に使って観戦に行きました。
米国でのWBCの試合チケットはMLBが販売しています。購入はウェブサイトででき、予約から4分ほどの時間制限の中で、押さえたシートを購入するという仕組みです。これはモバイルサイトでも対応しています。せっかくのチャンスなので、内野席、バッターボックスの後ろあたりの位置から観戦することにしました。
筆者がチケットを取ったのは試合の2日前で、購入自体はウェブサイトで完了しますが、紙のチケットの場合は一晩で届くFedExの速達をオーダーしなければならず、しかも発送してもらうには20ドル弱の送料がかかります。
ちゃんと印刷された紙のチケットが欲しいとも少し思いましたが、20ドルという価格にちょっと二の足を踏んでしまいました。またウェブでチケットを表示してプリントするという方法もありましたが、我が家には3年前からプリンターがありません。
そこで利用したのがPassbookです。MLBは2012年のiOS 6発表の際にPassbook対応のサービスとして紹介されていました。じゃあこれを使ってみようということで、Passbookによるチケットの送信を選択しました。
チケットは2枚取ったのですが、メールで送られてきたリンクを開くと、それぞれのシートごとに「Add to Passbook」というボタンがついており、これを押せばワンタッチでiPhoneのPassbookにチケットが入ってきます。あっけないほどに簡単。ちなみにもう1枚は妻の分でしたが、このリンクをメールで送り、同じように別のシートのボタンを押してもらえばPassbookに入りました。
チケットをまとめて取っておいて、会場前で受け渡しするといったことも不要ですし、急に取ったチケットをすぐに活用できるという点で、特にとても簡単です。
さて、試合当日はAT&Tパークへ行きましたが、球場に近づくと、iPhoneのホームスクリーンにプッシュ通知が届き、MLBのアイコンで「World Baseball Classic:Nearby」(近く)と主張してきました。このプッシュ通知をスワイプすれば、WBCのチケットのPassbookが直接開き、そのままゲートの係員にバーコードを読み取ってもらうだけで中に入れました。
まだPassbookを使っている回数が少ないのでイマイチその効果が分かりませんでしたが、Passbookをたくさん使っていると、こうして位置情報でプッシュされて直接チケットが開けるメリットを、より感じるようになるのではないかと思いました。
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