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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第74回

Androidのトップ交代で、ChromeとAndroidが接近!?

2013年03月20日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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PCとタブレットが近づくのと同じように
ChromeとAndroidも今後統合されていく?

 Androidのこれからを予想することは難しい。ここでは、Googleの事業とPichai氏のプロフィールをみてみよう。

 Googleのミッションは世界中の情報をオーガナイズすることであり、事業としては広告である。次に新たにAndroidを率いるPichai氏は、ウェブブラウザーとしての「Chrome」を「Firefox」を上回るシェアに成長させた人物だ。「Chrome OS」も教育分野など着実にテリトリーを広げておりGoogleの中ではスター的な社員のようだ。

 Pichai氏がChromeトップと兼任してAndroid責任者を務めるとPage氏は記しているため、ChromeとAndroidの距離が近づく可能性は多いにありそうだ。その場合どちらが多く残るのか、どちらを柱としていくのか。技術や現在の普及率だけではなく、Googleのミッションや事業の延長線として見る必要があるだろう。

 なお、Chrome OSとAndroidの重複については以前から指摘があった。Androidを買収したのは2005年、Chrome OSの登場は2009年と時期は異なり、これまでもAndroidはスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末、Chrome OSはネットブックと一応カテゴリーで境界線を引いてきたが、その区別は曖昧になりつつある。

 たとえば2月に登場した「Chromebook Pixel」ではタッチ画面を搭載している。Chromeはまた、Native Client SDKでのARMサポートも実現している。スマートフォンは大型化、タブレットは小型化しつつあり、ネットブックはタブレットからシェアを奪われないために、今後さらにタブレットに近づくだろう。

Core i5にタッチ対応の高解像度液晶(2560×1700ドット)と非常にハイスペックな「Chromebook Pixel」

 他のOSを見てみると、AppleはMac OS XとiOSを、MicrosoftはWindowsとWindows Phoneを持っている。CanonicalはUbuntuを一本化しデスクトップからモバイルやTVで利用できるようにしている。Googleがどちらのモデルをとるのかが注目される。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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