PCとタブレットが近づくのと同じように
ChromeとAndroidも今後統合されていく?
Androidのこれからを予想することは難しい。ここでは、Googleの事業とPichai氏のプロフィールをみてみよう。
Googleのミッションは世界中の情報をオーガナイズすることであり、事業としては広告である。次に新たにAndroidを率いるPichai氏は、ウェブブラウザーとしての「Chrome」を「Firefox」を上回るシェアに成長させた人物だ。「Chrome OS」も教育分野など着実にテリトリーを広げておりGoogleの中ではスター的な社員のようだ。
Pichai氏がChromeトップと兼任してAndroid責任者を務めるとPage氏は記しているため、ChromeとAndroidの距離が近づく可能性は多いにありそうだ。その場合どちらが多く残るのか、どちらを柱としていくのか。技術や現在の普及率だけではなく、Googleのミッションや事業の延長線として見る必要があるだろう。
なお、Chrome OSとAndroidの重複については以前から指摘があった。Androidを買収したのは2005年、Chrome OSの登場は2009年と時期は異なり、これまでもAndroidはスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末、Chrome OSはネットブックと一応カテゴリーで境界線を引いてきたが、その区別は曖昧になりつつある。
たとえば2月に登場した「Chromebook Pixel」ではタッチ画面を搭載している。Chromeはまた、Native Client SDKでのARMサポートも実現している。スマートフォンは大型化、タブレットは小型化しつつあり、ネットブックはタブレットからシェアを奪われないために、今後さらにタブレットに近づくだろう。
他のOSを見てみると、AppleはMac OS XとiOSを、MicrosoftはWindowsとWindows Phoneを持っている。CanonicalはUbuntuを一本化しデスクトップからモバイルやTVで利用できるようにしている。Googleがどちらのモデルをとるのかが注目される。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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