mSATA変換時の速度はどうなる?
最速の「PC-128M5M」で計測!
mSATA-SATAのコネクター変換では、変換チップを経由することはないのだが、アダプターを挟むことで転送速度が低下するのではないかと、気になるところだ。そこで、今回紹介したmSATA変換アダプター5製品をデスクトップPCに接続して、その性能をチェックしてみよう。
変換するmSATA SSDは、第2回で最速の座を獲得したPLEXTOR「PX-128M5M」を使用。各々の変換アダプターをインテル「Core i5-3570K」や、Z77チップセット採用のASRcok「Z77 Extreme4」搭載PCに接続し、「CrystalDiskMark 3.0.2e」で性能を計測している。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i5ー3570K」(3.4GHz) |
マザーボード | ASRock「Z77 Extreme4」(Intel Z77 Express) |
メモリー | DDR3-1600 8GB×2 |
HDD | Seagate「ST2000DM001」(7200rpm、2TB) |
電源ユニット | オウルテック「SS-750KM」(750W、80PLUS GOLD) |
OS | Windows 8 Pro(64bit) |
なお、USB 3.0接続の「SSDMB ver1.4 mSATA用外部USB3.0アダプタ」は、チップセット制御のUSB 3.0ポートに接続している。ASMediaなどのUSB 3.0コントローラー接続時とは速度が違うので注意しよう。
各アダプターの転送速度
この結果をまとめたものが下のグラフだ。アダプターを使用していないオレンジ色のバーと見比べてもらいたい。
変換基板で速度の違いや低下はなし
USB 3.0が予想以上に高速&便利だ
mSATA-SATA変換アダプター3製品で速度の違いと速度低下は見られず、逆にCPUやチップセットの違いが影響し、シーケンシャル/ランダムリードは変換後のほうが向上。とくにシーケンシャルリードは30MB/sと大きくアップしているのがポイントだ。
USB 3.0接続に変換する「SSDMB ver1.4 mSATA用外部USB3.0アダプタ」も、シーケンシャルとランダム(512K)のリード/ライトが300MB/sオーバーと爆速になっている。
安価なPCグッズが盛りだくさんの上海問屋が扱っているリード230MB/s、ライト120MB/sの「USBメモリー・フラッシュメモリ 128GB(DNF-FD128GB3-S)」(メーカーサイト)が1万3000円前後なのを考えると、リード/ライト300MB/s超えで1万7000円前後は魅力的な価格になるだろう。ケーブルを含めると、USB 3.0メモリーよりかさばるが、外出先で大容量データを頻繁に読み書きしたい人は一考する価値ありだ。
なお、今回のテスト環境ではUASPがうまく認識せず、従来の「USB 大容量記憶装置」で動作した。UASP動作時は、より高速になる可能性もある。
最後は玄人志向の「mSATA3I-PCIe」だが、これはSATA3コントローラーとPCI Express ×1接続の限界。チップセット制御のSATA3接続には及ばないが、280MB/s前後が限界値となるSATA2よりは高速なので、SATA3非対応環境での使用ならありだろう。
mSATA SSDと変換グッズは
今後の発展に大いに期待
自作ユーザーの1人としては、6Gbpsの転送速度に対応するマザーボードの登場を早急に望むが、小型で高速なmSATA SSDは変換アダプター次第で、新しい使い方ができそうだ。
変換アダプターで余ったmSATA SSDに活用したり、爆速なUSBストレージを作ったりはもちろん、オリオスペックが予約受け付け中のNAS自作に最適なMini-ITXケース(下の写真)のシステムにmSATA SSDを使ったり、RAID対応mSATA-SATA変換アダプター「DUAL MSATA RAID ADAPTER R2021D」と2.5インチ外付けケースを組み合わせて、RAID 1のモバイルストレージを組んだり、省スペースPCケースでRAID1を構築したりするのも楽しそうだ。
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