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最新スマホも続々登場! Mobile World Congress 2013レポ 第26回

Nokiaインタビュー 「スマートフォンでは挑戦者 WP8で再起」

2013年03月16日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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他のOSよりもWindows Phone 8に集中することで
ブランドのカムバックを目指す

──NokiaがWindows Phoneに戦略変更をして、ちょうど2年になります。製品が登場してからは約1年半が経過しましたが、今のところAndroidが優勢で、Windows Phoneのシェアは低い状態です。

Jutila 製品マーケティング担当として、毎日この課題に取り組んでいます。Microsoftと共同で流れを変えよう、変化を起こそう、AndroidとiPhoneに代わる製品を作り出そうとしているんです。

ずらりとそろったLumiaシリーズ。左から920、820、720、620、520。手前は720のワイヤレス充電機能付き保護カバー

 提携から2年、正しいツールと資産が揃いました。これからは着実に戦略を実行に移していきます。具体的には、よりよいマーケティングの展開、キャリアとの協業、Microsoftとの連携、チャネルパートナーとの提携などです。

 われわれがもっとも重視しているのが、消費者との接点となるショップでの認知度を上げることです。一例を挙げると、Lumiaのすばらしいカメラ機能を体験してもらう取り組みを展開しています。穴の空いたハコを用意して穴の中の写真を撮ると、Androidスマホでは何も写らないのですが、Lumia 920では蝶が写るなど、簡単ですがLumiaのカメラを実感してもらえるデモです。ワイヤレス充電も同じで、店頭で説明やデモをすると消費者はメリットを理解してくれます。

 また、Microsoftは「Windows 8」のキャンペーンを展開しており、これはWindows Phone 8を採用しているNokiaにもメリットがあります。

 キャリア側はAndroidとiPhoneに代わるモノに好意的で、AT&T、China Mobileなどが強く支援しています。China Mobileは「Lumia 920T」の提供に加えて、MWCで発表した720と520も発売すると発表しました。中国最大のオペレーターがLumiaを揃えてくれる、ということの意味は非常に大きいです。適切なデータプランを用意し、ショップで的を得たプロモーションを展開すれば必ず訴求できると確信しています。

──スマートフォンでのOSはWindows Phoneを継続する計画ですか? Firefox OS、Ubuntuなど新しいOSも登場しています。

Jutila Nokiaはスマートフォンビジネスでは挑戦者です。(Windows Phoneで)ブランドのカムバックを図っているところで、この計画をちゃんと実行に移すことに全精力を注いでいます。Windows Phoneで独自のエクスペリエンスを提供し、差別化を図れる製品を市場に提供できるでしょう。

──タブレットへの拡大はありますか? また、ウェアラブルも注目を集め始めています。Nokiaはずいぶん前に腕時計型携帯電話など先進的な研究開発を行なっていましたが。

Jutila センサーは重要な技術です。Nokia Here(Nokiaの地図・ロケーションサービス)では、位置情報のクラウドを構築しています。データが集まるほど情報はリッチになり、精度が高くなるのです。携帯電話のセンサーからどのような情報を収集できるのかだけでなく、車や腕時計などがセンサーを搭載すれば情報を得られるでしょう。注意深く市場を見ており、場合によっては他社と提携することも考えています。

 なお、Nokia Hereでは開発者向けプログラムを開始します。APIを開発者向けに公開するもので、Hereのクラウドサービスや機能と連携するアプリやサービスを開発できます。

 ウェアラブルデバイスやタブレットで具体的な発表はしていませんが、方針としては、NokiaはLumiaでのユーザー体験にフォーカスすると同時に、他の製品コンセプトやカテゴリーの可能性があるのかを注視しています。スマートフォンに集中している理由は、Nokiaはこの分野で自分たちの知識や技術力を最大限に発揮できると信じているからです。

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