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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第18回

iPadで3Dモデリング 自分出演のカタログでサングラス購入

2013年03月15日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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メガネECサイトの創意工夫と3Dバーチャル

 そんな夏の季節が早い到来を迎える中で、日本とは何が違うのか分かりませんが、米国の日差しの強さを常々感じます。そこでサングラスを新調しようと考えました。米国でも街やモールにちょくちょくメガネ屋さんがあって、品揃えも悪くはないのですが、お店でそわそわしながらサングラスを選ぶよりは、もう少しゆっくりといろいろ見たいのも確かです。

 それを叶えてくれそうなサービスが、glasses.comの「3D Virtual Try-on」です。TED 2013にブースを出していて、米国では4月からサービスをスタートさせると聞きました。このサービスはiPadで自分の顔を3Dモデリングし、画面内でメガネをかけた自分を見ながらフレームを選ぶことができる仕組みです。

iPadのカメラによる撮影風景。正面、左から右へとゆっくりと首を振ってスキャンする

スキャンし終わると、3Dモデルの解析に入る。この時間、約1分ほど

 glasses.comはメガネの老舗ECサイトで、「ECでも実際の製品を試したい」というニーズに、従来は「In-home Try-on」サービスで対応していました。これはサイト上で気になるメガネをいくつか選ぶと、それらをすべて送ってきてくれて、7日間試して決めることができるもので、実生活の中でリアルのメガネ店以上に深い「試着」を可能にするサービスです。

 このように、これまでも「長く使う身につけるモノ」の性質と、ECサイトの「実際に手に取れない」特性の問題をうまく解決していたわけですが、新しい3D Virtual Try-onはテクノロジーをうまく活用しながら、より手軽にパーソナライズしたショッピング体験を実現しようとしています。

モデリングも製品選びもiPadで

 実際の手順はとても簡単です。iPadのアプリとカメラ、そしてiPhoneを使います。

 まずは自分の顔の3Dモデリングをします。正面の顔をまず撮影し、続いて左を向いた写真を撮り、そのまま首をゆっくりと右の方向へ向けていきます。これで顔の撮影は終了。次に顔のサイズを決めるため、iPhone 5に表示されたQRコードを額に当てて、さらにもう1枚写真を撮影します。

 撮影自体は長くても2分以内で終わります。このデータをサーバに送り、1分ほど待つと、自分の顔の3DモデルがiPadに戻ってきます。つまりiPadで自分撮りを2分して1分待てば完了です。

 そして、次の画面を見て驚きました。なんと、サングラスのカタログのモデルが全員自分になっているのです!

2000を越えるポリゴンで構成された自分の顔の3Dモデルが出来上がる。iPadカメラでの撮影からたった3分

 3Dモデルであるため、iPadの画面の中の自分の顔を左右になぞると、ちゃんと首を左右に振って、横顔とサングラスの様子を確かめることもできます。顔のサイズとサングラスのサイズもすべてデータになっているため、サングラスによってレンズが大きすぎる、小さすぎる、といったサイズ感も確かめることができますし、レンズの形の合う、合わないをチェックすることも可能です。

写真から作っているので表面のテクスチャも万全。メガネと合成された画像が出てくる

 また、サングラスを画面上で手前に引っ張ると、掛ける位置も調整でき、一番手前まで引っ張ると、鼻先にサングラスが引っかかっているもどかしい状態を見ることもできます。面白がってひとしきり変なメガネをかけさせたり、鼻がけさせたりしてましたが、今思えば全部自分の顔だったんですよね。恥ずかしい。

カタログのモデルが全部自分! 指で触って首を左右に振ることもできる

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