PCを持ち歩かなくても、外出先で業務を行えるツールとして、ビジネスにスマホを導入しようという動きが進んでいる。そこで迷うのはスマホの導入方法。その主な選択肢は、企業がビジネス用のスマホを用意して社員に支給するか、私物のスマホをビジネスにも併用するBYOD(Bring your own device)の2つとなる。
日本スマートフォンセキュリティ協会(JSSEC)がこのほど公表した「第1回スマートフォン企業利用実態調査」の報告書によると、スマホを導入する目的として、「業務生産性向上」(73%)や「社外での業務や在宅勤務の促進」(50%)、「移動時間の有効活用」(47%)などが挙げられた。実際、スマホを導入した企業からは「業務生産性向上」(70%)や「移動時間の有効活用」(63%)、「社外での業務や在宅勤務の促進」(53%)といった効果が得られているという。
スマホの利用を職種別に見ると、「営業」が89%で「役員」が78%、「研究/開発」が67%。社外での利用が多い職種ほどスマホの導入は進んでいるようだ。
導入方法について調べると、会社のスマホ支給を「導入している」のは82%で、配布後すぐに使用できるように「設定やアプリ等をキッティングした状態で配布している」のが44%だった。一方、BYODの利用を「認めている」と回答したのは41%。導入・利用を禁止しているアプリのカテゴリは、48%が「ない」としており、「オンラインストレージ」は44%、「通信(電話・メッセージ)」は26%という結果となった。
今回の調査は、同協会の会員企業や会員企業の関連企業33社が対象。数こそ少ないが情報通信や情報セキュリティに携わる企業のため、スマホの利用に対する認識が高い企業が多く、一般的な企業に比べてスマホの導入が進んでいると考えられる。