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今こそ見直したいバックアップとDR第1回

データ消失はビジネスや情シスにどんな影響を与える?

御社は大丈夫?バックアップがない企業はこうなる

2013年03月13日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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3・11の東日本大震災からまる2年が経った。この間、データのバックアップやBCP策定の意識は高まったが、コストや人手の面から手を付けていないという会社や組織はいまだ多い。改めてバックアップとDRについて見直す今回の特集の第1回では、バックアップがない企業はどうなるかを考えてみたい。

データは簡単になくなる!
これだけの理由

 3・11の東日本大震災は、自然災害の恐ろしさやインフラの脆弱性などのほか、ITシステムのもろさを浮き彫りにした事件として記憶されるだろう。起こってしまえば、当たり前ではあるが、コンピューターは電気がなければ動作しない。停電が長引けば、業務システムも、インターネットも使えず、ビジネスはまったく動かなくなる。

3・11の東日本大震災で破壊されたサーバー。幸い、東芝グループの尽力でデータは復旧された

 また、水に浸かったり、火事で燃えたりすれば、コンピュータは壊れてしまう。どんな堅牢で、信頼性の高いサーバーであっても、コンピューターを構成する部品が動かなくなれば、そこに格納されたデータは消失してしまうわけだ。企業で重要な財務や顧客データも、設計データも、写真やビデオなどのマルチメディアデータも等しく消失してしまう。こうした災害が何度も起こるかどうかは別にし、当たり前のものが一瞬になくなる恐怖は誰しも感じたに違いない。

 とはいえ、こうした自然災害によるデータの消失は、あくまで1つの例に過ぎない。もとより、コンピュータに故障はつきものだ。特にデータを格納するハードディスク(HDD)は、可動部分を持つため、遅かれ早かれ、必ず故障する。最近では高いスループットを実現するSSDの導入も増えているが、書き込み回数の限界やセルの不良、コントローラーの障害などがある。そのため、可動部がないからといって安心できない。もちろん、ハードウェア障害が起これば、データは読み取れなくなる。もちろん、RAIDコントローラーやソフトウェアの障害も、身近なデータ消失の原因となる。

 さらに、外部からのサイバー攻撃やウイルスは情報漏えいだけではなく、データ消失や改ざんの危険性もはらんでいる。そして注意しなければならないのがユーザーの誤操作だ。ユーザーのバックアップデータを誤削除してしまった事業者の例を引くまでもなく、クラウドサービスであっても、決して安心できるものではない。まずはデータの消失は決して珍しい事例ではなく、身近に起こりうること、そして他人任せではなく、自ら対応すべき事案であることを認識すべきだ。

コンピューターにおけるさまざまなデータ消失の原因

データ消失によって、ビジネスにどんな影響があるか

 データ消失がビジネスに与える影響は大きい。影響はシステムの規模や重要度によって異なるが、重要なデータを格納するサーバーにおけるデータ消失はビジネスに大きなインパクトを与える。

 たとえば、日常的に扱うメールサーバーやグループウェアのデータが消失すれば、どうだろうか? 顧客や取引先のやりとりはもちろん、送受信されたファイルや社内での業務履歴などは確認できないことになる。また、Webサイトのデータがなくなった場合、サイト側のコンテンツなら再アップできるが、ユーザーからの問い合わせやアップロードされた内容、あるいはログなども失なわれる。もちろん、財務・会計、人事、在庫などを扱う基幹システムのデータベースであれば、取引や業務オペレーション自体が完全にストップしてしまうことになる。まさに被害は甚大だ。

 データ消失の影響は自社内のみにとどまらず、対外的な信用問題にもつながる。特にユーザーのデータを預かるような場合、損害賠償の対象になる可能性がある。

(次ページ、データ消失で情報システム部が負う負荷とは?)


 

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