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1.7GHz4コア&フルHD液晶のARROWS Xを使ってみた!

2013年03月10日 12時00分更新

文● mobileASCII編集部 高橋章憲

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「ARROWS X」のカメラ&
便利機能をチェック!

 「ARROWS X F-02E」のメインカメラ部には、約1630万画素の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」が採用されています。本家のソニーが「Exmor R for mobile」の次となる「Exmor RS for mobile」をXperia Zに採用してきたので、それだけではあまりアドバンテージにはなりません。そこに、富士通製の画像処理エンジン「Milbeaut(ミルビュー)Mobile」が組み合わせ、独自のチューニングを施すことで、「ARROWS X F-02E」ならではの画質を作り出しています。

 Exifデータによれば、「ARROWS X F-02E」のメインカメラは、レンズの明るさを示すF値が2.4で、絞りは2.76固定のようです。レンズの焦点距離は、35mmフィルム換算で27mmと広角寄りなようです。

カメラのUIは超シンプル!

 筆者はハイスペックスマホが大好きで、カメラ機能の充実ぶりも評価ポイントとしてかなり重要視するほうです。ところが「ARROWS X F-02E」のカメラ機能は極々シンプルで、物足りなく感じてしまいました。ARROWS efやARROWS Vなどに比べても、「アレ? これホント!?」と思うほど、多くの機能が削られています。

 たとえば、露出のプラス・マイナス補正機能や、セピアやトイカメラ風などのアート撮影機能などが省かれています。その辺のところを、端末発表会の時に富士通の説明員の方に聞いてみたところ、「マニュアルでの設定変更機能を付けても、ほとんどのユーザーは使わないというアンケート結果から、「ARROWS X F-02E」では、AUTO設定だけで誰でもキレイな写真が撮れるようシンプルにしました」とのこと。

 それは、そうなのかもしれないですが、「ARROWS X F-02E」は、富士通のフラッグシップ機なのですから、マニュアルでの設定項目はなくさなくても良かったんじゃないかと……。バージョンアップで対応できるのであれば、ぜひお願いしたいです、富士通さん!

カメラのUIは、シャッターボタンと「MENU」、フラッシュのオン・オフのみが表示される。ズームは、画面をピンチイン・ピンチアウトして行なうようになっている

「MENU」を開くと、4種類の「撮影モード」と、簡単なカメラ設定が表示される。マクロや遠景、夜景や夕日などといったシーン選択などのメニューは無い

「MENU」の「その他」を開いたのが上の画面。GPSでの「位置情報」の付加と、「保存先切替」の設定ができる

画像処理エンジン「Milbeaut Mobile」の
実力を見ていってみよう

 さまざまな機能を省いて、シンプルさを追求してきた「ARROWS X F-02E」ですが、実際の写真の写りはどんな感じなのかが気になります。まずは、深く考えず、同じ地点で昼と夜の風景を撮ってみました。

 本機のカメラには、5群5枚の高品位レンズが使用されていて、歪みを補正しています。そのため、35mmフィルム換算で27mmと広角な画角にも関わらず、画面端の歪みはそれほど気にならないレベルにまで押さえ込まれています。昼間の写真ではISO感度を下げて、ノイズの発生を抑えるようなプログラムになっていて、遠景の看板の文字までクッキリと読めるパンフォーカス的な絵作りになっているのがわかります。

 そして、裏面照射型CMOSセンサーが得意とする夜景では、あまりISO感度を上げずに、シャッター速度を遅くすることでノイズを抑える方向なようです。測光モードが「中央重点」しかないので、明るめの看板が露出オーバー気味になっているのは仕方の無いところでしょう。

【撮影データ】撮影モード:通常撮影 35mm換算レンズ焦点距離:27mm 絞り:2.76 シャッタースピード:1/370秒 ISO感度:50 ホワイトバランス:自動 測光モード:中央重点

【撮影データ】撮影モード:通常撮影 35mm換算レンズ焦点距離:27mm 絞り:2.76 シャッタースピード:1/9秒 ISO感度:200 ホワイトバランス:自動 測光モード:中央重点

背景が明るい逆光でもフルオートで大丈夫!

 カメラの測光性能を試すには、逆光撮影をしてみるのが分かりやすくてオススメです。通常、測光モードを変更できるスマートフォンで逆光の被写体を撮るときには、「スポット測光」を選んで、被写体が暗くならないようにするのですが、先ほども触れたように「ARROWS X F-02E」には測光モードをマニュアルで変更する機能はありません。撮影した写真のExifデータによれば、測光モードは「中央重点」に固定されているようです。

 季節柄、梅の花を青空背景で撮影して見ましたが、花びらが暗くなってしまうこともなく、なかなかキレイに撮れていると思います。若干、画面の左側にレンズフレアっぽい光が入ってきているのが気になりますが、この件に関しては後ほどご説明します。

【撮影データ】撮影モード:通常撮影 絞り:2.76 シャッタースピード:1/690秒 ISO感度:51 ホワイトバランス:自動 測光モード:中央重点

中心を外したピント合わせもカンタン

 「ARROWS X F-02E」のカメラは、タッチパネルをタップしてピントを合わせることができる「タッチフォーカス」機能があります。これによって、作例写真のように、ピントを合わせたい対象物が画面の中央からオフセットされているような場合でも、しっかりとピント合わせをすることができます。ただ、露出まではピントが合ったエリアに合わせることはできないので、撮影時には注意が必要になりそうです。

【撮影データ】撮影モード:通常撮影 35mm換算レンズ焦点距離:27mm 絞り:2.76 シャッタースピード:1/417秒 ISO感度:50 ホワイトバランス:自動 測光モード:中央重点

HDRの効果はおとなしめに…

 下の2枚の写真のうち左が通常撮影で、右がHDRで撮影した写真。「ARROWS ef」などにあったHDRの強弱を選択することはできなくなっていますので、HDRの効果はカメラまかせ。作例を見てもらうと、影になっている暗がり部分がしっかり明るく写っているのが分かると思いますが、HDRの効果は若干おとなしめな感じです。「ARROWS ef」の場合はかなり分かりやすい形でHDR効果を見せてくれていましたが、「ARROWS X F-02E」では、自然な感じに仕上げるように方向性を変えてきたのでしょう。

マンションのベランダ部分に注目すると、右のHDR写真の方が暗部までハッキリと描写されているのがわかる。HDR合成にかかる時間はやや長め

左側から強い光が当たっているときは
レンズフレアに注意しよう

 「ARROWS X F-02E」を横位置に構えた場合、レンズは左側の背面にあることになります。この位置にレンズがあるスマートフォンならどんな機種にも起こり得ることなのですが、左横側から強い光が当たる状況での撮影の場合、上の写真のようにレンズフレア(暗部への光の漏れ)が起きて、写真が白っぽくなってしまいがちです。

 対策としては、左手でレンズに影が落ちるようにしてあげるのが一番いいのですが、下の写真を見るとおわかりのように、手のひらが見切れてしまうようなことも……。レンズに直射光が当たらないようにして撮影すると、下の写真のようにクッキリとしたコントラストを得ることができますので、撮影する際にはちょっと工夫してあげるといいと思います。

レンズフレアは、レンズに直射光が当たらないように対策してあげれば防ぐことができる。左手で光を遮る場合には、レンズに映り込まないようにしないと、作例のようにかっこわるい出来映えになってしまう。注意しよう

(次ページ>>やっぱり気になる、ARROWS Xのバッテリー持ちはどうなの!?)

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