
本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
そもそも「ダウンロードムーブ」とは?
DLNAクライアントアプリ「Twonky Beam: 動画/音楽/写真の再生/転送アプリ」は、2012年11月に公開のバージョン3.30でDTCP-IPをサポート。地デジなど著作権保護されたコンテンツの再生が可能となり、ついにビデオレコーダーなどに録画した番組をiPhone/iPadで楽しめるようになった。
そのTwonky Beamがバージョン3.4.1にアップデート(関連記事)、録画済み番組のダビング機能(ムーブ/コピー)が追加された。一方でDTCP-IPサポートがオプション扱いとなり、アプリ内課金で「プレミアム・パッケージ」(700円)を購入しなければ著作権保護されたテレビ番組などのコンテンツは視聴できなくなった。ただし、今回のバージョンアップ以前に(DTCP-IP対応の)Twonky Beamを利用していたユーザーに対しては、アプリ内課金なしに引き続きDTCP-IPの機能を利用できる。
有料化をデメリットととらえる方がいるかもしれないが、ムーブ/コピーのサポートはインパクト大だ。nasneなどで録画した番組をiPhone/iPadで持ち出せるからだ。しかもただのムーブではなく「ダウンロードムーブ」とくれば、テレビ好きには見逃せない。
ダウンロードムーブとは、再生端末側を操作してコンテンツをムーブする機能のこと。レコーダー側で操作せずに済むため、簡単に録画済み番組をスマートフォンやタブレットに取り込める。以前からDLNAガイドラインでは定義されていたが、同機能を実装したビデオレコーダーは少なく、2011年あたりからパナソニックのDIGAシリーズと、ソニーのBlu-rayレコーダーシリーズの一部に採用され始めた。2012年からはシャープ製レコーダーもダウンロードムーブに対応し始めたことから、新製品であれば同機能に対応している可能性は高い。
このダウンロードムーブは「nasne」にも採用されている。Twonky Baemを開発するPacket Videoからは、nasneを対応機種とする発表は行なわれていないが、筆者が検証したかぎりではnasneでも支障なくダウンロードムーブを実行できた。つまり、1万数千円を出費すれば、録画済みテレビ番組をiPhone/iPadで外へ持ち出すことが可能になったのだ。
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Twonky Beam: 動画/音楽/写真の再生/転送アプリ ![]() |
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価格 | 無料(アプリ内課金) | 作者 | PacketVideo |
バージョン | 3.4.1 | ファイル容量 | 17.2 MB |
対応デバイス | 全機種 | 対応OS | iOS 5.0以降 |

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