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なれる!SE 間違いだらけの?IT用語辞典(中二版) 第6回

回転しないドライバーはただのドライバーだ!

二カ所同時に起きたら大変、地獄の手品師が使いそうなIT用語

2013年03月07日 18時00分更新

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回答編


冗長化されたディスクが二箇所以上で障害を起こしてデータ復旧できなくなること。これをバッドストライプと呼ぶのよ。



二つあるディスクが二つとも壊れたらそりゃ復旧も何もないでしょう。ただの故障じゃないですか。
なんでわざわざバッドストライプなんて名前つけてるんです?


単純な故障じゃなくて
ストライプされたデータの破損なのよ。あんたRAIDって知ってる?


えーと……ディスクを冗長化する技術でしたっけ。
同じデータを二つのディスクに置いとくんですよね?


それはミラーリングね。RAIDはRAIDでもRAID-1。今回の事象はパリティつきストライピングRAID-5の話ね。



(……分からない)


あるデータを分割して三つのディスクに置いたと考えてみて。同時に読み出すことができてアクセス速度とか三倍になるでしょ? これがストライピング(縞模様・分散化)。

ただこの状態だと、一箇所でもデータが破損した瞬間、元情報の復元は不可能になる。それを防ぐためにパリティ*3と呼ばれるチェックデータを全ディスクに分散して保存しておくのよ。

障害が起きた時はチェックデータと残存ストライプから逆算で元情報を復旧できるようにする仕組み。これをパリティつきストライピングと呼ぶ。



完璧じゃないですか。



単一障害ならね。
じゃあこの障害が二箇所同時に起こったらどう?


え? 二箇所で同時?
一箇所だけならパリティと残ったデータで復旧できるけど、データが二個ともないとすると……あ。



分かった?


分かりました。同一ストライプのデータが複数ディスクにまたがり壊れて元データ算出の手がかりがなくなってしまう。
……すなわちバッドストライプ(不正なストライプ)ってことですね。


そう、ディスク管理者にとってみたら悪夢のメッセージよね。
せっかく冗長化してるのに重要データが消失しちゃうんだから。なんのためのバックアップだか分からなくなる。



避ける方法はあるんですか?


計算方法の異なるパリティをもう一種類生成する。アドレスの違うパリティ値を二つ持てばそこから元データが復旧できるから耐障害性はぐーんと上がる。これがRAID-6ね。

詳しい話をしだすとRAID-5+とか色々規格があるんだけど長くなるから今日はこのへんで。



ははぁ……勉強になります。


ちなみにRAID-6はその仕様から
ダブルパリティストライピングなんて呼ばれてたりもしてるわね。


……!!
ダブルパリティィィィストライピング!


それ正義の技っぽいから地獄の手品師は叫んじゃダメ。



まだ根に持ってる!?


(*3)元データを数学的に処理してエラー検出符号にしたもの。


【解説】

バッドストライプ
RAIDにおいてあるストライプが異なるディスク上で二重障害を起こすこと。パリティのみでは元情報を復旧できなくなるためデータが完全に失われる。耐障害性を高めるためパリティ情報を二重化したRAID6のような仕組みがある。

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