パイプから脱却へ
M2M、RCSなどがキーワード
ネットワーク側ではマシン間通信(M2M)、Rich Communication Suite(RCS)「Joyn」、LTE-Advancedなどがキーワードだった。M2MはEricssonとSAPが提携を発表、ネットワーク側はEricsson、ビジネスプロセス側はSAPが技術を持ち寄り、容易かつ安価に導入できるソリューションを提供すると発表した。
RCSはVoIP、プレゼンス、ビデオ通話などのリッチなコミュニケーションの相互運用のための標準仕様で、「Joyn」はサービス名。Skype、Viber、WhatsUpなどメンバー間のコミュニケーションをアプリで提供するOTTサービス対抗の切り札として注目されている。
RCSもM2Mも、オペレーターにとっては新しい収益源として期待されている技術だ。このように最新の通信方式、トラフィック対策に終始するだけでなく、ビジネス側の試行錯誤がはじまっているように見える。
ネットワークインフラ分野は最大手のEricsson、Nokia Siemens Networks(NSN)などの既存ベンダーに混じり、中国のHuaweiが猛烈な勢いで追いかけている。すでに無線アクセスネットワーク(RAN)ではNSNを抑えて2位、王手をかけている。同社は例年、ネットワーク事業側は顧客にしか公開していなかったが今年は一部に公開した。
Nokia SiemensはNokiaとSiemensのジョイントベンチャーだが、このところSiemensが売却かという憶測もある。ここでも世代交代が進みつつある。
さて、7万人以上の参加者でにぎわったバルセロナ。GSMAによると今年のMWCの経済効果はなんと3億2000万ユーロだったという。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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