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最新スマホも続々登場! Mobile World Congress 2013レポ第21回

Optimusを武器にスマホの世界トップを目指すLGの戦略

2013年03月05日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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「Optimus」は4ラインで展開
Androidをメインに復活目指すLG

 LGエレクトロニクスは今年、Mobile World Congress(以下、MWC)の前に「Optimus G Pro」や第2世代の「Optimus L II」3機種を発表、会期中はそれらを一堂に展示した。スマホの出遅れと中途半端に見えたプラットフォーム戦略から事業的にも苦しい状態が続いた同社だが、「Nexus 4」のヒットもあり2012年第4四半期は台数ベースで前年同期比7%増、半分がスマートフォンになるなど、新しい時代に向けた戦略が動き始めている。

 MWCの会場で、同社グローバルコミュニケーションディレクターのKenneth Hong氏に同社の今後の戦略について話を聞いた。

LGエレクトロニクス グローバルコミュニケーションディレクター Kenneth Hong氏

──「Optimus G」「Optimus G Pro」が注目を集めています。改めて製品戦略を教えてください。

Kenneth Hong氏(以下Kenneth) 今年は製品だけではなく、ビジネス戦略を見てほしいと思っています。2012年に初めて弊社のフラッグシップモデルを出しました。ローンチは成功し、モメンタム(勢い)を作ることができたと自負しております。これにより新戦略に向けた事業構築の時間を取ることができました。

 2012年に新しい事業戦略を立て、2013年は実際に端末を投入し、売っていく年にします。単にハードウェアだけではなく、ソフトウェアやユーザー体験をパッケージする戦略で、「Optimus」ブランドでG、Vu、F、Lの4種類のシリーズを揃えました。Gはハイエンド、Vuは大画面、FはLTE for Everyoneのマス向け、Lはデザイン重視。複数のシリーズを用意するのは弊社にとって初めてのことです。他社がミドルレンジ、ハイエンドとフォーカスを絞る中、われわれは全てを揃える。これは差別化になるでしょう。

 Nexus 4は市場が限られていましたが、Optimus Gは幅広い市場で展開します。Optimus Gはすでに日本や韓国では発売済みですが、欧州や南米などでは3月にローンチされます。この成否が今後の指標となるでしょう。2013年上半期に、ある程度の見通しが立ちそうです。

日本版と比べて大きさも性能も若干違う「Optimus G Pro」

──プレミアム端末を作り、製品ラインナップをわかりやすくするベンダーもあるが、LGエレクトロニクスとしてはさまざまな層に向けて展開するということですか?

Kenneth 私の予想では、プレミアムのみにフォーカスすると苦戦する。スマートフォンの戦いにおいて、ニッチプレイヤーに終始していては勝つことはできません。端末のマージンが薄くなっており、プレミアムだけでは生き残りに必要な利益を生まないと考えるからです。

──プラットフォーム計画はAndroidがメインですか? Windows Phoneの今後の予定は? Firefox OSにも参加を発表していますが。

Kenneth Androidにフォーカスする理由は、顧客が望むからです。Androidは柔軟性があり、ユーザーと開発者のコミュニティーも大きい。このあたりがユーザーのニーズを生んでいるのではないでしょうか。

 また、Windows Phoneは、現時点では欲しいという声をそれほど聞きません。Firefox OSはわれわれのイニシアティブではなく、主導しているのは通信キャリアですから。

これはZTEからリリース予定の「ZTE One」。LGも参加を表明したFirefox OSを搭載のモデルだ。

──Androidでは「GALAXY」ブランドが強いですが、どうやってLGのAndroidスマホを認知してもらう計画ですか?

Kenneth GALAXYシリーズが強いのは、Androidだからではないと考えます。iPhone(アップル)やGALAXY(サムスン電子)にキャッチアップするのに、Androidとは別のOSが必要とは思いません。コンシューマーはiOSやAndroidを好んでおり、われわれはこの2つのうち、提供できるOS(Android)を提供します。

 市場シェアを増やすための戦略は、「欲しい」という気持ちを生むような端末を開発することです。カギを握るのが、ハードウェアに組み込んだ機能「User Feature」です。動画を再生しながら他のアプリを利用できる「Q-Slide」、自動翻訳「Q-Translator」、画面上の手書きメモ「Q-Memo」などなど。

 最高のハードウェアをもつ製品を開発しても、翌月には他のベンダーがそれをしのぐハードウェアを出してきます。ハードウェアだけではだめで、パッケージが大切なんです。User Featureは利便性のための機能で、すばらしいユーザー体験を実現しています。アプリではないし、スキンでもない。われわれはAndroidを変えようとは思っているのではなく、利便性のための機能を加えるというアプローチをしています。

 消費者はデザインでスマートフォンを購入しています。だからこそ、便利で使える機能が必要で、われわれはパッケージにして提供する。これは競争力につながるし、消費者にも魅力を感じてもらえると思います。ハードウェアは簡単に理解してもらえるが、ソフトウェアやユーザー体験は難しい。理想的なのはユーザーが他のユーザーにクチコミで魅力を伝えてもらうことですね。

これがLGならではの機能である「Q-Slide」や「Q-Memo」。大きな画面を無駄なく使うことができる便利機能だ

──Hewlett-Packard(HP)からwebOSを買収する計画を発表しましたが、この買収の狙いは?

Kenneth スマートTVを簡単に使えるようにするために利用する計画です。

──webOSはモバイルOSとして開発され、HPによるオープンソース後はAndroidやTizenの代替として位置づけられてきました。スマートフォンに採用する計画はありますか?

Kenneth スマートフォンに利用する可能性は非常に少ないですね。webOSはPalmで開発されたモバイルOSで、「Palm Pre」が登場したとき専門家は絶賛しましたが、消費者は買いませんでした。同じ失敗を繰り返すつもりはありません。弊社は消費者主導の企業です。消費者が望まないものを作るつもりはありません。

──Nexus 4がヒットしましたが、Googleの「Nexus」に選ばれることはメーカーにとってどのぐらい重要なのでしょう?

Kenneth Nexusはプレミアムスマートフォンなので、自社のハードウェア技術を披露するチャンスではありますが、ソフトウェアはGoogleでNexusはGoogleのブランドです。対してOptimusはわれわれがすべてコントロールできます。そういったことから、毎回Nexusに選ばれる必要はないと思っており、Nexusに選ばれることが戦略の中で重要ということはありません。

──お忙しい中、ありがとうございました。


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