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超高音質オーディオ配信で変えるPCオーディオ環境 第2回

高音質の階段を駆け上がれ! 4STEPでハイレゾ環境導入

2013年03月05日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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STEP 4 いよいよハイレゾに挑戦してみる

  • 必要なソフト:AudioGate(Madia Monkyなども可)
  • 必要な音源:ハイレゾ音源
  • 必要なハード:手持ちのPCとUSB DAC、スピーカー

 FLAC再生のための環境が整ってしまえば、ハイレゾ再生への挑戦もかなり敷居が低くなってくる。音源の入手やハードウェアの追加などで少々コストがかかるものの、CD以上の高音質といわれるハイレゾ音源の実力を試してみたくなるだろう。

メジャーレーベルのタイトルをはじめ、国内外の楽曲を多彩に取り揃えている「e-onkyo MUSIC」。オンキヨーの運営するサービスだけに、再生環境の解説なども充実

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スピーカーやアクセサリーメーカーのクリプトンが運営する「HQM Store」。クラシックの高音質レーベルが充実しており、オーディオマニアに人気

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アーチストのさまざまなニュースが充実しており、音楽ファンにも楽しめる「OTOTOY」。インディーズ系アーティストの作品が充実している

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 まず必要になるのは音源の入手だ。これは、国内外にさまざまなサービスがあるが、比較的使いやすいサイトとしては、前回紹介した「e-onkyo MUSIC」、「HQM Store」、「OTOTOY」の3つがある。特色などは以下にまとめた。

ハイレゾ音楽配信サービスの比較
e-onkyo MUSIC HQM Store OTOTOY
URL http://music.e-onkyo.com/ http://hqm-store.com/ http://ototoy.jp/music/
特徴 ワーナーやユニバーサルといったメジャーレーベルが充実 クラシックやジャズの高音質音源が充実 国内アーチスト中心で音楽ニュースなども提供
配信形式 FLAC、WAV、DSD FLAC WAV、DSD
価格の目安(1曲) 300円前後 300円前後 50~数百円
価格の目安(アルバム) 2~3000円前後 2~3000円前後 1000円前後

 ソフトを購入するには、いずれも会員登録が必要になる。購入はいずれもクレジットカード決済などを採用している。サイト上での購入手続きが完了すると、選んだ作品の楽曲データのダウンロードが可能になる。

 ダウンロード後は一定期間の間(数日程度)は再ダウンロードが可能。これは、ダウンロードのトラブルでファイル破損していた場合にダウンロードし直すためのもの。だから、購入した曲のダウンロードが完了したら、とりあえず一度は一通り再生して、ファイルに問題がないことを確認しよう。

USB DACと再生ソフトが必要

「DS-DAC-10」。横幅120mmのコンパクトなサイズでPCを並べて使うにも最適。ヘッドフォン出力も備えている

「DS-DAC-10」。横幅120mmのコンパクトなサイズでPCを並べて使うにも最適。ヘッドフォン出力も備えている

 必要な音源が手に入ったら、今度はソフトウェアとハードウェアの用意だ。再生自体はMediaMonkyでも行なえるが、オラソニックのTW-D7IP/D7WMのままでは、信号は48kHz/16bitなどに変換されてしまう。

 そこで登場するのがUSB DAC。おすすめはコルグの据え置き型ヘッドフォンアンプ「DS-DAC-10」。実売5万円弱という比較的安価な価格ながらも、最大192kHz/24bitに対応し、しかもDSD音源の再生にも対応するという優れもの。5万円というと決して安くはないが、ここでがんばってしまえば、その後のステップでもあまりコストがかからないというわけだ。

 DS-DAC-10は、昨年の発売以来の大ヒットで一時は販売を中断していたほどだが、2月には販売が再開されている。この機会にぜひ手に入れたい逸品だ。

前面には大きなボリュームツマミと、再生中の楽曲のサンプリング周波数を示すインジケーターがある。「2.8」と「5.6」の表示がDSD対応を意味する

前面には大きなボリュームツマミと、再生中の楽曲のサンプリング周波数を示すインジケーターがある。「2.8」と「5.6」の表示がDSD対応を意味する

背面には、デジタル出力とUSB端子、アナログ出力がある。ACアダプターなどを接続する電源端子がないことに注目。USBバスパワー駆動なのだ

背面には、デジタル出力とUSB端子、アナログ出力がある。ACアダプターなどを接続する電源端子がないことに注目。USBバスパワー駆動なのだ

 一般に96kHz/24bitまで対応のUSB DACは汎用のUSBオーディオドライバーが使えるので、ドライバーが付属しないものもあるが、192kHz対応やDSD対応となると専用のドライバーが必要になる。DS-DAC-10ももちろん専用ドライバーがあり、同社サイトからダウンロードすればインストールは問題なく行なえる。

MediaMonkyでASIO出力を行なう場合は、別途DLLなどをダウンロードして「Plugins」フォルダーに入れるなど、やや面倒

MediaMonkyでASIO出力を行なう場合は、別途DLLなどをダウンロードして「Plugins」フォルダーに入れるなど、やや面倒

 ここからがちょっと問題で、ドライバーの規格はプロ用オーディオでの標準規格である「ASIO」規格となっているため、再生ソフトによっては対応できないこともある。MediaMonkyやFoobar2000などはASIO規格に対応させることもできるが、追加コンポーネント(プラグイン)を別途ダウンロードする必要があるなど、少々手強い。

 だが、DS-DAC-10は再生ソフトも一緒に同梱している。正確に言うとオーディオ・フォーマット変換ソフトの「AudioGate」が使えるのだ。これについては、次回詳しく紹介するが、ハイレゾ音源のWAVやFLACの再生にも対応しているので、ここでも再生ソフトとして使用することにした。

 AudioGateやドライバーのインストールが済めば、後はUSBケーブルでPCとDS-DAC-10を接続、DS-DAC-10はなんとUSBバスパワーで動くので、ACアダプターは不要だ。これも手軽に使えるという点で大きな魅力だ。

 今回は比較試聴をしたいということもあり、スピーカーはそのままオラソニックを使用。アナログ信号に変換し、アナログ接続でスピーカーへ信号を送ることにする。

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