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2012年CPUクーラー最強王座決定戦 第3回

野心作が多数! 2012年CPUクーラー王座決定戦【第3回】

2013年03月06日 16時00分更新

文● 加藤 勝明

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トップフローなのにデュアル14cmファン
PHANTEKS「PH-TC14CS」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:160(W)×151(D)×140.5(H)/約900g
●ファン回転数:700~1200rpm±10%(PWM制御)
●風量:45.1~78.1CFM
●ノイズ:13.4~19dBA
●実売価格:8500円前後
●製品情報URL:http://www.phanteks.com/PH-TC14CS.html

最近少なめなトップフロー型のヒートシンクを2基のファンで挟むという珍しい設計を備えた「PH-TC14CS」。ヒートシンクの色は赤/青/白/黒/無色の5色がある(写真は無色)

 最後に紹介するメーカーは2011年終盤からCPUクーラー業界に参入してきたPHANTEKS社。まず紹介したいのはトップフローながら14cmファンをデュアルで備えるという、変わったアプローチが印象的な「PH-TH14CS」。サイドフロー式でも使えるような大きさのヒートシンクを、わざわざ曲げたヒートパイプで連結してトップフロー式にしているのだ。

 冷却力をチェックしてみると、今回試したトップフロー式クーラーとしては最も低い温度を叩き出し、4.6GHz動作もしっかりクリアできた。見た目もなかなかおもしろいが、「価格の高さ」と性能のバランスが気になってしまう。実売9000円近いということは、「Silver Arrow SB-E」や「Frio Extreme」などのハイエンド空冷に匹敵するが、実際の温度はそこまで匹敵しない。

 メモリー温度の低さはさすがといえるが、CPU温度に比べればそこまで温度がシビアな部位ではない。「CNPS9900DF」程ではないが、組み込み時に4スミのネジを回すスペースが小さく、組み込みには少々苦労するだろう。

 トップフローにこだわるなら今回の中では最高の製品だが、同じ性能はサイドフロー式ならもっと安く手に入る。見た目をとるか実利をとるか、そのあたりが悩みどころだ。

ファンは1300rpm固定だが、このケーブルを挟んで接続することで、PWM制御が可能となる。ただし今回はこのケーブルを使わずに計測した

アイドル時(PWM制御)
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  31.0 ℃ 30.4 ℃ 26.5℃ 34.1 ℃ 31.0 dBA 775 rpm
純正より -12.0 ℃ -5.8 ℃ -8.1 ℃ +0.5 ℃ -10.5 dBA -1661 rpm
高負荷時(PWM制御)
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  59.0 ℃ 29.4 ℃ 29.3 ℃ 32.3 ℃ 38.7 dBA 927 rpm
純正より -13.0 ℃ -11.3 ℃ -14.9 ℃ -15.2 ℃ -13.8 dBA -4473 rpm

10分間の温度推移

高性能クーラーの新定番となるか?
PHANTEKS「PH-TC14PE」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:159(W)×140(D)×171(H)/約1250g
●ファン回転数:700~1200rpm±10%(PWM制御)
●風量:45.1~78.1CFM
●ノイズ:13.4~19dBA
●実売価格:1万2000円前後
●製品情報URL:http://www.phanteks.com/PH-TC14PE.html

「PH-TC14PE」。アルミ製ヒートシンク全体が塗装されているのも大きな特徴。色バリエーションは「PH-TC14CS」と同じ5色展開

 2012年版「CPUクーラー最強王座決定戦」のトリを飾るのがPHANTEKS初のCPUクーラーとなる「PH-TC14PE」。ハイエンド空冷クーラーとしては定番の2ブロックのヒートシンクとミッドシップ+リアファンの組み合せで強烈に冷やすタイプの製品になる。

 一見ごくありふれた設計だが、ヒートシンクとヒートパイプの接合方法がやや変わっている点に注目したい。一般的な製品はフィンに開いた穴にヒートパイプを通す方法なのに対し、本製品ではヒートパイプを2分割したヒートシンクで挟み込むという手法になっている。そのためヒートシンクの上にヒートパイプが顔を出していないため、かなりスッキリとした印象だ(とはいえ、言われてみるまで気がつかない違いともいえる)。

 冷却力は「Silver Arrow SB-E Extreme」とほぼ同等レベル。ファンノイズは高負荷時でもとりわけ低く、シングルファン式の「Macho Rev.A(BW)」並の静かさだった。静かで冷えるクーラーがほしいなら、かなり魅力的な製品といえる。ただ実売価格が1万円オーバーなので、ハイエンド空冷クーラーどころかちょっと贅沢な簡易水冷キットに手が届く。費用対効果よりも独自色を重視したい人にオススメしたい。

アイドル時(PWM制御)
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  28.0 ℃ 33.2 ℃ 28.4 ℃ 36.4 ℃ 32.7 dBA 873 rpm
純正より -15.0 ℃ -3.0 ℃ -6.2 ℃ +2.8 ℃ -8.8 dBA -1563 rpm
高負荷時(PWM制御)
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  55.0 ℃ 32.4 ℃ 33.8 ℃ 37.4 ℃ 38.8 dBA 1034 rpm
純正より -17.0 ℃ -8.3 ℃ -10.4 ℃ -10.1 ℃ -13.7 dBA -4366 rpm

10分間の温度推移

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