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2012年CPUクーラー最強王座決定戦 第2回

野心作が多数! 2012年CPUクーラー王座決定戦【第2回】

2013年03月05日 16時00分更新

文● 加藤 勝明

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ファンをヒートシンクでサンドイッチ
ZALMAN「CNPS14X」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:140(W)×126(D)×159.3(H)/約875g
●ファン回転数:950~1350rpm±10%(PWM制御)
●風量:不明
●ノイズ:17~21dBA
●実売価格:5000円前後
●製品情報URL:http://www.zalman.com/jpn/product/Product_Read.php?Idx=570

スタンダードなヒートシンクにZALMAN得意のミッドシップファンを組み合せた「CNPS14X」

 この「CNPS14X」の構造は、2ブロックに分かれたヒートシンクの間にファンを挟んだ構造が特徴。「CNPS9900DF」でも採用されている構造だが、この製品のヒートシンクは通常のサイドフロー式と同様平面的なフィンを垂直に積み上げたもの。ただし「CNPS9900DF」が全銅製+ニッケルメッキなのに対し、本製品は銅製プレート&ヒートパイプにアルミ製フィン。その分価格的に手をだしやすい。

 ヒートシンクが大ぶり、かつ1200rpm前後で回るファンのおかげで高負荷時でも50℃台中盤。エントリー20製品中では中盤に位置づけられる性能だ。ここだけ切り取れば凡庸に見える製品だが、本製品より冷却性能の高い製品はファンノイズが大きく、次第に使いにくくなる。コスト的にも使い勝手的にもバランスの良い製品といえるだろう。

 ただし、ZALMANのミッドシップファン搭載製品共通の欠点として、ファンが劣化した時のケア(そう壊れるものではなさそうだが)がしにくかったり、自分でカスタマイズができない部分がある。コストや手間をかけずに成果をあげたい人にはいい製品と言えるだろう。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  29.0 ℃ 30.3 ℃ 31.5 ℃ 36.5 ℃ 31.3 dBA 1167 rpm
純正より -14.0 ℃ -5.9 ℃ -3.1 ℃ +2.9 ℃ -10.2 dBA -1269 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  58.0 ℃ 29.5 ℃ 36.5 ℃ 36.2 ℃ 42.2 dBA 1298 rpm
純正より -14.0 ℃ -11.2 ℃ -7.7 ℃ -11.3 ℃ -10.3 dBA -4102 rpm

10分間の温度推移

最強CPUクーラーに返り咲きなるか?
ZALMAN「CNPS9900DF」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:140(W)×110(D)×154(H)/約850g
●ファン回転数(ミドルファン):1000rpm±10%
●ファン回転数(リアファン):900~1400rpm±10%(PWM制御)
●風量:不明
●ノイズ:19~27dBA±10%
●実売価格:8000円前後
●製品情報URL:http://www.zalman.com/jpn/product/Product_Read.php?Idx=607

「CNPS9900DF」の構造をよく観察すると、吸気用リアファン(実際はこれがPCケース前面に来る)がある側とない側(PCケース背面側)とではフィンの付き方が微妙に異なる。ない側は空気を周囲に散らすよう計算されているのだ

 ZALMANのCPUクーラーといえば、ループ状のヒートパイプに放射状に拡がるフィンを特徴とするシリーズ。インパクトのあるデザインの凄さはもちろんだが、本特集においても2007年2010年に王座を獲得するなど、冷却性能の高さに定評がある。

 この「CNPS9900DF」はそのZALMAN魂を継承する最新フラッグシップモデル。フィンを含めすべてが銅製であることや、高性能の“コンポジットヒートパイプ”を採用している点は、前作「CNPS9900 MAX」と共通だ。

 しかし今回はミッドシップファンに加えて吸気用リアファンを追加(製品名のDFはDual Fanを意味する)。さらにミドルファンは口径12cmで回転数固定だが、リアファンは口径14cmで回転数可変とするなど、ファンの性能に差を付けることで吸排気バランスを最適化するくふうがなされている。ただ、これらのファンは特別製で、経年劣化などが発生したら交換が効かないというのは従来と同じ制約だ。

 テスト結果はフラッグシップモデルの貫録を感じさせるものといえよう。高負荷時CPUが55℃なのに加え、VRM温度が「CPS14X」よりもさらに低下。放射状ヒートシンクのおかげで空気がソケット周辺にうまく分散していることがうかがえる。

 だが本製品にも不満はある。それは“作業性の悪さ”だ。ヒートシンク部の固定は4本のネジで行なうが、トップヘビーな構造ゆえ真上から工具を入れるのではなく、同梱のボールポイントキーレンチを斜めから入れて回す。

 ところが、レンチの先と固定用ネジの穴の噛みが甘くレンチの焼きも甘いため、力任せの作業はできない(実際にレンチが欠けた)。ボールでない方の端でも回せるが、レンチを回せる範囲が狭く、均等に締めるるには少々忍耐が必要だ。組んでバラすサイクルが長いユーザーでないと、この製品は使いにくい。外見はクールなだけに非常に残念だ。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  26.0 ℃ 29.9 ℃ 28.3 ℃ 38.7 ℃ 27.8 dBA 1071 rpm
純正より -17.0 ℃ -6.3 ℃ -6.3 ℃ +5.1 ℃ -13.7 dBA -1365 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  55.0 ℃ 27.2 ℃ 35.3 ℃ 31.5 ℃ 42.5 dBA 1288 rpm
純正より -17.0 ℃ -13.5 ℃ -8.9 ℃ -16.0 ℃ -10.0 dBA -4112 rpm

10分間の温度推移

【機材協力】

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